多くの保育園は食育などの目的でお弁当の日を設定しています。しかし、はじめてのお弁当作り、しかも2歳時が食べるものとなると、戸惑うことも多いですよね。
「簡単に作れて、2歳児が食べてくれるおかずって何?」
「量や大きさの目安ってある?」
「注意ポイントするべきポイントは?」
このような疑問を持つ方のために、この記事には2歳児のお弁当に関する情報をぎゅっと凝縮しました。
注意ポイントや適量、おすすめレシピなどをご紹介していきます。初めて2歳児のお弁当を作る親御さんはぜひ参考にしてください。
2歳児のお弁当について知ろう!適量・大きさ・味付けは?
2歳児のお弁当を作る際に気を付けたい、量や作る上でのポイントを5つご紹介します。
- お弁当箱の大きさは300ml
- 白ごはんの目安量は80g~100g
- 主食・おかずの割合は5:5
- 見た目で大切なのは色のバランス
- 手づかみでも食べやすい大きさにする
順に見ていきましょう。
お弁当箱の大きさは300ml
2歳児のお弁当箱は、250~300ml程度が目安です。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年)」によれば、2歳児の1日摂取エネルギー目安は900~950kcal。その約1/3を昼食で摂ると考えると、昼食に必要なエネルギーは約300kcalとなります。
お弁当箱の容量はお弁当のカロリーとほぼ同等といわれているので、2歳児には約300mlのお弁当箱が適量です。
ただし子どもの食欲や食べられる量には月齢差や個人差があります。お弁当の時間内に食べきることが重要なので、小食の子であれば250mlのお弁当箱から始めても良いかもしれません。
白ごはんの目安量は80g~100g
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年)」によれば、2歳児の1食分の主食目安量は約100g。子ども茶碗1杯が100gの目安となります。
パンの場合は、6枚切り1枚もしくは10枚切り2枚で白ごはん100gと同程度の炭水化物になります。
主食・おかずの割合は1:1
主食とおかずの割合は1:1がベストといわれています。さらに主菜と副菜を含めたバランスでは、主食3:主菜1:副菜2の割合がおすすめです。
主食は、ご飯やパンなどの炭水化物を多く含む食品で、活動のエネルギー源となります。お弁当を詰める際には最初に詰めましょう。
主菜は肉や卵、魚などのタンパク質や脂質を多く含む食品で、血液や筋肉を作る重要な役割があります。主食の次に場所を取ることが多いので、主食の次に詰めるのがコツです。
副菜は、野菜やキノコ類などビタミン・ミネラル・食物繊維を多く含む食品で、体の調子を整えてくれます。数品作って隙間を埋めるように詰めると、中身が全体が安定して崩れにくくなります。
余ったスペースにフルーツもおすすめ
余ったスペースを埋めるのにフルーツもおすすめです。最後のお楽しみとして子どもも喜ぶでしょう。
ただし水分の多いフルーツや皮や種があるものは、汁が漏れたり食べにくかったりするので注意が必要です。さらに傷みや変色なども考慮する必要があるでしょう。
そこで、次のようなカットしたフルーツを凍らせて保冷剤代わりに入れるのはいかがでしょうか。
- 缶詰のみかんや桃
- 皮をむいたオレンジ
- 皮をむいた種なしぶどう
- バナナ
- キウイ
- パイナップル
冷凍する前に、汁気を十分に切るのがポイントです。
見た目で大切なのは色のバランス
おいしそうなお弁当に仕上げるために見た目にもこだわりましょう。
食材には「白・黒・赤・黄・緑・茶」の6色があり、色のバランスをとることで栄養のバランスも整います。
また6色全てがなくても大丈夫です。3~4色をそろえることから始めてみてください。
キャラ弁など可愛い見た目にしなくてもOK
せっかくだからキャラ弁などにもチャレンジしてみたいですよね。ただし無理は禁物です。もし挑戦してみたい場合は、便利なキャラ弁グッズを利用してはいかがでしょうか。
海苔パンチなどを利用すると簡単に可愛い見た目にアレンジできます。幼児に人気のアンパンマンのキャラ弁が作れるグッズなどもあるようです。
忙しい朝の時間に無理をする必要はありませんが、興味がある方は、負担のないものから始めてみても良いかもしれません。
手づかみでも食べやすい大きさにする
個人差はありますが、2歳児は手づかみを卒業したばかりの時期。おかずの大きさは、フォークやスプーンなどを使用して食べられるひと口大くらいが理想です。
時には手づかみで食べるのもご愛敬。べたつかず、手づかみでも食べやすい食品を詰めましょう。
主食もご飯を詰めるよりは、小さなひと口大のおにぎりにするのがおすすめです。型を使用すると、小さくても同じ大きさのものが作れます。
魚や肉などの主菜も、噛み切れないようなことがないよう小さくカットしておくと良いでしょう。
2歳児におすすめのお弁当簡単レシピ3選
2歳児におすすめのお弁当レシピを3つご紹介します。
- 野菜たっぷりベジタブルオムレツ
- 一口サイズでタンパク質満点!うずらのミートボール
- 錦糸卵と小松菜と白ごまのおにぎり
気になるメニューをチェックしてください。
野菜たっぷりベジタブルオムレツ
オーブンで作るベジタブルオムレツです。
タンパク質・炭水化物・ビタミンを同時に摂れる1品で、家族用の作り置きおかずにもなります。
【作り方】
- オーブンを200度に予熱
- じゃがいもは1cm角の角切り、たまねぎは薄切り、ベーコンは1cm幅に切る
- 耐熱皿にじゃがいも・たまねぎ・ベーコンを広げ、ふわりとラップをして500wの電子レンジで4分加熱
- 耐熱容器にクッキングシートをしき、3の具材・グリーンピースを平たく入れる
- ◎をよく溶きほぐし耐熱容器に流し入れる
- 200度のオーブンで20~25分ほど焼いて完成
- 粗熱が取れたら、食べやすい大きさに切り分ける
トースターや魚焼きグリルでも調理可能です。
焼き時間は、調理器具に合わせて調整してください。冷蔵庫で4日保存可能。
一口サイズでタンパク質満点!うずらのミートボール
作り置きができるミートボールです。ミンチではなく豚こま肉を使うのがポイントです。たれはお好みで。
【作り方】
- 豚こま肉は酒・塩・こしょうで下味をつける
- 豚こま肉1枚を広げて、うずら卵1個に巻きつける
- 全体に片栗粉をまぶす
- フライパンに油を引いて熱し、3の巻き終わりを下にして中火で焼く
- 転がしながら全体に焼き目をつける
- ふたをして弱火で6分蒸し焼きしたあと一度取り出す
- 余分な油をキッチンペーパーで拭き取り、たれの調味料を加えて煮詰める
- ミートボールを戻し入れ全体にからめる
うずらの水煮や豚こま肉を使用することで、調理時間や手間がカットできます。冷蔵庫で3日保存可能です。
錦糸卵と小松菜と白ごまのおにぎり
炭水化物とともに小松菜のビタミンと卵のタンパク質も同時に摂れるおにぎりです。
【作り方】
- 小松菜をゆで、細かく刻む
- 薄焼き卵を作り、冷めたら千切りにする
- ごはん・小松菜・卵・白ごま・塩をよく混ぜ合わせ、食べやすい大きさのおにぎりにする
小さな丸いおにぎり以外に、細長くラップで包みスティックのように食べる方法もあります。
2歳児のお弁当を作る際の注意点
2歳児のお弁当作りで注意するポイントを次の3つにまとめました。
- 丸のみや誤嚥に気を付けよう
- おかずはすき間なく詰める
- 一番の留意点は食中毒を防ぐこと
順に見ていきましょう。
丸のみや誤嚥に気を付けよう
お弁当で気を付けたいポイントの一つに誤嚥があります。2歳児は歯が生えそろっていても、噛む力が大人と比べて弱いので、思いもよらない食品がのどに詰まることがあります。
東京消防庁の統計によると、2歳児が誤嚥による窒息で救急搬送された原因のナンバー1が食品です。こども園で4歳児がぶどうをのどに詰まらせて死亡した事故もあります。
プチトマトやぶどうは1/4に切る、噛み切りにくいものは細かく切ってほかの食品と混ぜるなどの対応を心がけましょう。
参照:朝日新聞|給食のブドウで4歳児死亡 業者任せ・周知不足を指摘
窒息を起こしやすい食品例
日本小児科学会は、次のような食品は窒息の可能性があると警告を発しています。
丸いものつるっとしたもの | プチトマト・ぶどう・ソーセージ・こんにゃく・さくらんぼ・カップゼリー・白玉団子 |
唾液を吸収して飲み込みづらいもの | 餅・ごはん・パン・焼いも・ゆで卵・のり・そぼろ |
固く嚙み切りにくいもの | イカ・肉・棒状のセロリ |
弾力があり噛み切りにくいもの | キノコ類・グミ |
小さくカットしたり、片栗粉でとろみをつけることなどで対策が可能です。
また危険な食材は、出来るだけ入れないよう心がけましょう。
おかずはすき間なく詰める
お弁当箱のふたを開けたら中身がぐちゃぐちゃ…こんな悲しい思いをさせないためには詰め方の基本をマスターしましょう。
詰める順番は、ごはん→大きいおかず(主菜)→小さいおかず(副菜)の順です。最後に小さなおかずですき間を埋めると、中身が崩れる心配が少なくなります。
すき間を埋める定番おかずはこれ
定番の小さなおかずアイデアがいくつかあれば、最後のすき間を埋められるので便利です。
簡単に作れるアイデア例をいくつかご紹介します。
- ゆでブロッコリー
- ちくわのきゅうりスティック詰め
- アスパラのベーコン巻き
- ニンジンのグラッセ
- ゆでポテト
ちくわに詰める食材をチーズ・のり・コーンに変えても良いですね。火を使わずにできるので手軽なのもメリットです。
ニンジンのグラッセは、星形などで抜くと可愛くて楽しい雰囲気になります。
一番の留意点は食中毒を防ぐこと
食中毒の原因菌の中には、低温に強いものも存在するので冬でも油断できません。6月~8月は細菌が原因の食中毒、11月~3月はウイルスが原因の食中毒が発生しやすく、1年を通して対策が必要です。
厚生労働省が提唱する「食中毒を防ぐための3原則」は次の3つです。
- つけない
- ふやさない
- やっつける
菌をつけないために、手を洗い、まな板・包丁・お弁当箱は清潔なものを使用しましょう。詰める際にも清潔な菜箸を使用し、直接手で触らないことも重要です。
食中毒の原因菌は、高温多湿な環境で活性化し、10℃以下では増殖がゆっくりとなります。しっかり冷ましてから詰めたり、保冷材を利用するなどして菌を増やさないようにしましょう。
またほとんどの食中毒の原因菌は、75℃で1分以上加熱すると死滅します。お弁当に入れる前にしっかり加熱することで、原因菌をやっつけましょう。
参照:厚生労働省:食中毒予防の原則
参照:政府広報オンライン|食中毒予防の原則と6つのポイント
気を付けるポイントは水分と温度
水分と温度は菌が繁殖する原因となります。また、お弁当が温かいうちにふたを閉めた場合も、蒸気がこもり、お弁当内の温度が上がるので注意が必要です。
食中毒の原因菌は、湿気と温度が高い環境で活動が活発になるので、十分に冷ましてからふたをするようにしましょう。
水分と温度を管理する方法として、次のようなものが挙げられます。
- ご飯はバットに広げ粗熱を取ってから詰める
- おかずの下や近くに鰹節や麩など水分を吸収する食材を詰める
- 調理の際に片栗粉を使用し水分を閉じ込める
- 汁気があるものはキッチンペーパーなどの上で水分を吸収してから詰める
十分に冷ます時間がない日は、お弁当を詰めたあと、少しの間冷蔵庫に入れて温度を下げてからふたをするようにしましょう。
夏場は保冷剤や保冷バッグを利用しても
気温が25℃を超える時期は、とくに注意が必要です。気温が高くなれば細菌の増殖速度も上がります。そこで夏場は保冷剤や保冷バックを利用するのがおすすめです。
100均ショップでも可愛い保冷剤が販売されています。最近はお弁当バンドと一体になった保冷剤ケースも人気です。
2歳児のお弁当に関するQ&A
2歳児のお弁当に関して、よくある質問を集めました。
Q.市販品や冷凍食品を使ってもいい?
Q.何時に作り始めるべき?
Q.保育園のお弁当ルールってなに?
気になる項目をチェックしてみましょう。
Q.市販品や冷凍食品を使ってもいい?
できるだけ手作りにしたいところですが、時間がない時は市販品や冷凍食品も利用したいですよね。市販品や冷凍食品を利用する場合、心配な点がいくつかあります。
- 味が濃く味覚形成に影響がある
- 塩分・糖分の過剰摂取につながる
- 食品添加物の過剰摂取
一般的に2歳頃から冷凍食品を食べても大丈夫といわれています。冷凍野菜などを利用すれば調理の作業時間を節約できるでしょう。
そこで市販品や冷凍食品を利用する際は、次のような点に注意しましょう。
- 原材料を確認する
- 産地を確認する
- 加熱をしっかりする
自分の目でチェックしたうえで、できるだけ添加物が少なくて納得できる商品を選ぶようにしましょう。
Q.何時に作り始めるべき?
食中毒を防ぐため、十分に冷ましてからふたをするべきだとご紹介しましたが、一体何時から作り始めたらいいのでしょうか。
とくっちcomのアンケートによると、お弁当作りにかかる時間は20分~30分という方が全体の6割でした。
おかずやごはんを冷ますための時間が約20分かかるとしたら、作り始めからふたをするまでに約1時間かかる計算です。
しかし朝は忙しく十分な時間が取れない時もあるはずです。そこで次のような対策を取ってみてはいかがでしょうか。
- 前日に味付けしておき当日の朝に焼くだけにする
- 朝にごはんが炊き上がるよう前日にセットしておく
- 作り置きのおかずを利用するときはレンジでしっかり加熱する
- 冷ます時間を短縮するためにアルミを引いた保冷材の上に乗せる
作り置きおかずを利用する際に注意が必要な食材のひとつに、マヨネーズがあります。マヨネーズには生卵を使用しているので、使用するのであれば当日に使いましょう。
Q.保育園のお弁当ルールってなに?
保育園によって、お弁当のルールが設けられている場合もあります。例としては次のようなものがあります。
- フルーツやデザート禁止
- 別容器禁止
- ピックやバラン禁止
- キャラ弁禁止
- お弁当の形や素材の指定
- 箸や箸入れの指定
- お弁当袋の形状指定
これらのルールは、限られた時間内にスムーズに食べ終えるためのものだと考えられます。もちろん保育園によってルールは異なるので、最初にしっかり確認しておきましょう。
まとめ
このページでは、2歳児のお弁当についてまとめました。
最後に重要な点をおさらいしておきましょう。
- お弁当箱の大きさは300ml
- 白ごはんの目安量は80g~100g
- 主食・おかずの割合は5:5
- 見た目で大切なのは色のバランス
- 手づかみでも食べやすい大きさにする
- 丸のみや誤嚥に気を付けよう
- おかずはすき間なく詰める
- 一番の留意点は食中毒を防ぐこと
2歳児は、大人と同じ食品を食べられるようになる反面、食べられる食材や量に個人差が大きい年齢ともいえます。
大切なのは、楽しく最後まで食べきることです。食中毒に気をつけながら、食べやすいお弁当作りを心がけましょう。