疲れた時に甘いものを食べると元気が出る気がしますよね。その甘いお菓子や清涼飲料水には、砂糖以外に人工甘味料が使われています。
「人工甘味料って安全なの?」
「人工甘味料だと太らない?」
などと気になりますよね。
結論として、人工甘味料には安全性が確認されたものが使用されています。しかし、「人工甘味料が太るか」については、太ると太らないの両方の意見がありました。
この記事では、そんな結論になった理由を解説します。人工甘味料と砂糖の違いを詳しくご紹介したうえで、注意すべき点や安全性についてもお伝えします。
体に悪い?!人工甘味料にまつわる嘘&本当を検証
人工甘味料=添加物と考えると、体に悪いイメージを抱く人も多いかもしれません。
そこで、人工甘味料にまつわる情報の真偽を次のとおり検証します。
- 認可されている人工甘味料の特徴
- 人工甘味料と砂糖との違い
- 人工甘味料のメリットとデメリット
私たちの身近な存在である人工甘味料についてしっかり学びましょう。
認可済みは6種類!人工甘味料とは
人工甘味料とは、人工的に作られた甘味のある成分で「糖アルコール」と「合成甘味料」の2種類があります。
糖アルコールとは、果物や野菜、発酵食品など自然界に含まれるものから甘味成分を人工的に抽出したものを指します。
また食品から作られているので、天然甘味料として分類される場合もあります。しかし消化管で吸収されにくい性質があり、大量摂取すると便がゆるくなることも。
代表的な糖アルコールは、キシリトール・ソルビトール・エリスリトール・還元水飴などです。
一方、合成甘味料は化学合成によって製造され、砂糖の数百倍から数千倍の甘さを感じるのが特徴です。
現在日本で使用許可が出ているのは次の6種類です。
- アスパルテーム
- サッカリン
- スクラロース
- アセスルファムカリウム
- ネオテーム
- アドバンテーム
低カロリーといった特徴を生かし、ダイエット食品や飲料などに多く利用されています。
砂糖と人工甘味料の違いは甘さ
代表的な人工甘味料アスパルテームのカロリーは、砂糖と同じ1g4kcalです。
しかし甘さは砂糖を1とするとその200倍あるので、少量の使用でも砂糖と同等の甘さを実現できます。
砂糖1に対する人工甘味料の甘味度は次のとおりです。
名前 | 砂糖を1とした甘味度(倍率) |
---|---|
アスパルテーム | 100~200 |
サッカリン | 200~700 |
スクラロース | 600 |
アセスルファムカリウム | 200 |
ネオテーム | 7,000~13,000 |
アドバンテーム | 14,000~48,000 |
少量で十分な甘さを感じられるので、糖質の過剰摂取を防げます。
清涼飲料水などで「ゼロカロリー」とうたっている商品には、ほぼ確実に人工甘味料が使用されています。
ゼロカロリーとはいっても、通常の飲み物の10分の1程度のカロリーがあると認識しておきましょう。
通常のコーラが160.65kcalだとすると、ゼロカロリーのコーラは17.5kcal程度です。
【体への影響】糖尿病になる可能性
カロリーをほとんど考える必要がない人工甘味料であれば、甘いお菓子やジュースもカロリーを気にせずたくさん食べられそうですよね。
しかし、金沢医科大学による追跡調査によれば、習慣的にダイエット飲料水を摂取している人は、飲まない人と比べて糖尿病発症率が1.7倍となりました。
この原因としては人工甘味料の甘さに慣れ、より強い甘みを求めてしまうこと、脳が甘味を感じているのにインスリンが分泌されず、より強い食欲を感じることなどが考えられます。
また人工甘味料に含まれるフェニルケトンを代謝できない「フェニルケトン尿症」の方もアスパラテームなどの摂取量を制限する必要があります。
人工甘味料のカロリーが低いからと言って、過剰摂取しない方がよさそうですね。
「食後血糖値が上昇しにくい」メリットもあるが…
人工甘味料にはブドウ糖が含まれていないため血糖値が上昇しません。
その特徴を利用して糖尿病や肥満の人でも甘いものが食べられるのがメリットだとされていました。
以下の図はアスパルテームと砂糖の甘味度を比べたときの評価です。
「すっきりしない」の項目では同じ評価ですが、その他「くせがある・しつこい・刺激がある」などの項目では、アスパルテームが+1程度高いようです。
しかし、人工甘味料は甘さを感じるのに血糖値が上がらないため、脳が混乱するとの指摘もあります。
さらに混乱を是正しようと摂食中枢から摂食命令が発令されるので、過食に結びつく可能性もあるようです。
ただし、人工甘味料に関しては不明な点も多いことがわかっています。
「血糖値が上昇しないからどれだけ食べても太らない」と過信するのではなく、適度に摂取するのがよいでしょう。
基本的には安全だが摂りすぎには注意したい
人工甘味料には、安全性と有効性が確認され厚生労働大臣が指定したものだけが使用されています。
また人工甘味料ごとに使用基準と一日摂取許容量が定められています。この摂取許容量は一生涯にわたって毎日摂取し続けても健康に悪影響がない量です。
厚生労働省で日本人の平均的な食品添加物の平均摂取量を調査したところ、アスパルテームについては定量加減未満、アセスルファムカリウムについては一日摂取許容量の0.15%と分かりました。
現在のところ摂り過ぎていないようですが、注意するに越したことはないでしょう。
参考:内閣府 食品安全委員会|人工甘味料の安全性について
摂取しても大丈夫な目安量は…
日本で使用が認められている人工甘味料6種の一日摂取許容量は次のとおりです。
名前 | 一日摂取許容量(ADI) [mg/kg体重/日] | 使用基準の一例 |
---|---|---|
アスパルテーム | 40 | 制限なし |
サッカリン | 5 | みそ漬, しょう油漬:1.2 g / kg シロップ, 清涼飲料水:0.30 g / kg |
スクラロース | 15 | 菓子:1.8 g / kg 清涼飲料水:0.40 g / kg |
アセスルファムカリウム | 15 | 菓子:2.5g / kg 清涼飲料水:0.05g / kg |
ネオテーム | 2 | 制限なし |
アドバンテーム | 5 | 制限なし |
厚生労働省の年齢層別食品添加物の一日摂取量の調査によれば、それぞれの人工甘味料の推定一日摂取量は、許容量よりもはるかに低いことが分かっています。
日常的に使う範囲であれば、過剰摂取について心配する必要はないでしょう。
人工甘味料の活用法!頼りすぎず普段の食生活を見直そう
人工甘味料のメリットは、血糖値を上げず、小量の使用で甘味を感じられる点です。
ダイエット中に甘いものが欲しくなった方や血糖値が気になって甘いものを控えている方にとっては強い味方ともいえます。
ただしゼロカロリーだからといって、習慣的に人工甘味料入りの清涼飲料水を飲むのはあまり適切ではないでしょう。
安全性についても賛否両論あることから、まずは普段の食生活を見直し、人工甘味料に頼ることは避け、適度な距離感を持って利用するのがよさそうです。
糖質ゼロは「100gあたり糖分含有量0.5g未満」
生活習慣に関する知識の普及と国民の健康増進を図る「健康増進法」では、食品のカロリーに関する表示のルールを定めています。
その法律によると、飲料や食品100g(100ml)あたり、糖分含有量が0.5g未満(5kcal未満)であれば、「カロリーゼロ」と表示できます。
わずか5kcalと少ないですが、正確にはゼロではないので注意しましょう。
また「カロリーオフ」や「カロリー控えめ」の表示も同様で、食品100gあたり40kcal以下であれば表示することが可能です。
カロリーオフの食品を200g食べた場合のカロリー摂取量は80kcalなので、ダイエット食にはあまり適していないかもしれません。
さらに「糖類ゼロ」についても同じようなことがいえます。
- 糖質ゼロ→糖類(砂糖など)も多糖類(デンプンなど)も糖アルコール(キシリトールなど)も含まない
- 糖類ゼロ→砂糖やブドウ糖を含まないが、キシリトールなどの甘味料は含まれている場合がある
「カロリーゼロ」「カロリーオフ」「糖質ゼロ」など魅力的な言葉ですが、実際にはゼロではありません。言葉に惑わされて糖質を摂りすぎないようにしましょう。
危険性を少なくするなら「天然甘味料」がおすすめ
砂糖は肥満や血糖値の上昇が心配で、人工甘味料は安全性が心配ですよね。
そこでおすすめなのが天然甘味料です。
たとえばトウモロコシを原料に酵素を加え発酵させてつくるエリスリトールの場合はカロリーがほとんどなく、血糖値にも影響を与えにくいとされています。
またウリ科の羅漢果を乾燥させて取り出すテルペングリコシド配糖体も、砂糖の400倍の甘味がありますが、腸管で吸収されることなく排泄されるので、血糖値上昇の心配がないとされています。
砂糖に比べると高価ですが、安全性や健康面から天然甘味料を利用するのも一つの方法です。
体に悪い?人工甘味料に関するよくある質問
人工甘味料に関する、よくある質問にQ&A形式で回答していきます。
Q.砂糖と人工甘味料ならどっちが体に良い?
Q.人工甘味料で絶対に安全なものはある?
Q.アスパルテームはアメリカで禁止されている?
気になる項目をチェックしておきましょう。
Q.砂糖と人工甘味料ならどっちが体に良い?
どのような食品についてもいえることですが、どれだけ体によいものでも過剰摂取は毒になりえます。
健康的な食生活の中で、ときに甘いものを楽しむ程度にし、摂り過ぎは避けましょう。
砂糖は天然の食品であり、安全性は保障されていますが、「マイルドドラッグ」とも呼ばれ、薬物やアルコール並みの中毒性・依存性があると言われています。
一方で人工甘味料は、政府によって安全性が認められているとはいえ、糖尿病や肥満への悪影響を指摘する事例もあります。
普段の食事や甘いものを楽しむ場合は、天然の甘味である砂糖を使用し、ときどき人工甘味料入りの清涼飲料水やお菓子を楽しむ程度にするのがよさそうです。
Q.人工甘味料で絶対的に安全なものはある?
人工甘味料は、厚生労働省が認可した食品添加物です。純度や成分の規格、使用できる量などの基準が定められています。
安全だと認められてはいるものの、かならずしもすべての人にとって安全だとはいえないのが現状です。
アスパルテームなら40mg(kg体重/日)、サッカリンなら5mg(kg体重/日)を目安に摂取しましょう。
名前 | 一日摂取許容量(ADI) [mg/kg体重/日] | 使用基準の一例 |
---|---|---|
アスパルテーム | 40 | 制限なし |
サッカリン | 5 | みそ漬, しょう油漬:1.2 g / kg シロップ, 清涼飲料水:0.30 g / kg |
スクラロース | 15 | 菓子:1.8 g / kg 清涼飲料水:0.40 g / kg |
アセスルファムカリウム | 15 | 菓子:2.5g / kg 清涼飲料水:0.05g / kg |
ネオテーム | 2 | 制限なし |
アドバンテーム | 5 | 制限なし |
とはいえ、1日の許容目安量を守っていても、人によっては何らかの影響がでる場合もあります。
もし不安があるのであれば、人工甘味料の使用を控え、添加物の少ない天然甘味料を選ぶ方がよさそうです。
Q.アスパルテームはアメリカで禁止されている?
アスパルテームは、世界120カ国以上の国で広く使用されています。アメリカでも食品・ダイエット食品・医療品などに使用され禁止はされていません。
ただしアスパルテームには健康被害をもたらす危険性も指摘されており、使用に抗議する流れもあるようです。
副作用の具体的な症状としては、次のように多岐に渡ります。
- 激しい頭痛・うつ状態・不眠症
- 体重増加・めまい・嘔吐・疲労
- 抜け毛・手の震え
それ以外にも脳腫瘍や白血病、知能低下、認知症、心疾患、アトピー、不眠症など、体中にさまざまな影響を及ぼす可能性があるとも言われています。
アメリカでは、消費者のアスパルテームへの不信が広がるにつれ、米国ペプシコ社はダイエットペプシにアスパルテームを使用するのをやめました。
(しかしその後、元の味を求める消費者の要望に応えて、再びアスパルテームの使用を再開しています。)
厚生労働省では許容摂取量を設定しており、過剰な摂取でなければ健康への悪影響はないとしています。とはいえ、過剰摂取はできる限り避けた方がよさそうですね。
参考:JUSTSIMPLE|ダイエットペプシ、アスパルテーム使用禁止を決定
参考:日経新聞|ペプシ、アスパルテーム入りダイエットコーラ再導入
まとめ
お子さんが口にする多くのお菓子や清涼飲料水には、人工甘味料が使用されています。その安全性について詳しく解説しました。
最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。
- 日本で認可されている人工甘味料は6種類
- 人工甘味料は血糖値を上昇させない
- 人工甘味料は、ほぼ吸収されずに排泄される
- 砂糖に比べ甘さは数百倍から数千倍だから小量の使用でいい
- 砂糖に比べカロリーが低い
- 摂り過ぎると健康へのデメリットがある
人工甘味料は、血糖値を上げず吸収されにくいうえ、小量の使用で十分な甘さを感じられます。
カロリーも少なくメリットも多いですが、健康への悪影響に対する指摘が多かったのも事実です。
砂糖なら安全で人工甘味料なら体に悪いと一概にいえませんが、心配であれば、できるだけ天然甘味料にし、場合によっては人工甘味料にする程度にしてはいかがでしょうか。
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