初めての育児は、すべてがわからないことだらけですよね。
「沐浴のやり方を産院で教えてもらったけれど…自信がない」
「手順や準備物が知りたい」
「コツや注意点が分かると助かる!」
こんな風に不安に思っている方も少なくないはず。
この記事では、沐浴の準備と正しいやり方について解説します。注意ポイントも、しっかりお伝えするので参考にしてくださいね。
沐浴の準備物と正しいやり方は5ステップ
沐浴の準備物と手順をまとめました。正しいやり方は次の5ステップです。
- 必要な用品をそろえる
- 部屋と温度を整える
- 正しい順番で体を洗う
- ソープやシャンプーをすすぐ
- タオルドライして保湿する
順にみていきましょう。
1.必要な用品をそろえる
赤ちゃんをベビーバスに連れてくる前に、必要な用品をすべてそろえておきましょう。
一般的に次のような用品があるといいでしょう。
- ベビーバス
- 沐浴布
- ソープ
- シャンプー
- ガーゼ
- バスタオル
- 保湿クリーム
- 着替え
- おむつ
沐浴布は、あらかじめお湯を張ったベビーバスの中に浸しておきます。シャンプーやベビーソープはベビーバスのすぐ近くに置きましょう。
沐浴後のために、肌着とベビー服をセットし、オムツも広げておくと慌てずに済みます。さらにバスタオルを広げておき、近くに保湿クリームを事前に並べておくとスムーズです。
ベビーバスではなくてもOK
沐浴の時期は個人差はありますが、およそ生後1ヶ月くらいまで。ベビーバスの使用期間は短いため、代用品で対応する方法も。
ランドリーバスケットや収納ボックスなどを試してみるのも一つの手です。使用後は収納用品として活躍するので一石二鳥ですね。
2.部屋とお湯の温度を整える
新生児は、まだまだ体温調節が上手にできません。
そのため寒過ぎたり暑過ぎたりしないよう温度を調節しましょう。
お湯の温度 | 37度~40度 |
室温 | 25度前後 |
お湯の温度は、少しぬるいくらい。湯温計などで計っておくと安心です。室温はエアコンなどで調整しておきましょう。
3.正しい順番で体を洗う
あらかじめ湯に浸しておいた沐浴用のガーゼ(少し大きめサイズ)で赤ちゃんの体を覆います。これは赤ちゃんの体が空気に触れて冷えないためです。
首から後頭部の後ろ側を利き手の反対側の手でしっかり支え、部分ごとに洗っていきます。部位ごとに、泡をつけて洗ったらすぐに流すといった作業を繰り返していきましょう。
諸説ありますが、顔→頭→首→腕→わき→胸→腹→足→陰部→背中→おしりの順番が一般的です。各部位の注意ポイントなどを次のようにまとめました。
順番 | 部位 | ポイント |
1 | 顔 | 目や口に入らないよう気を付けながら、顔全体に泡をつける濡らしたガーゼで優しく拭きとる |
2 | 頭 | 頭全体に泡をつけて、なでるように洗うお湯をやさしくかけて泡を流す |
3 | 首 | 汚れがたまりやすい部分なので、シワの奥までしっかり洗うすすぎ残しがないよう気をつける |
4 | 腕・わき | 手から始め、わきに向けて洗う指・手のひら・わき・関節部分は汚れが溜まりやすい |
5 | 胸・腹 | おへそもしっかり洗う |
6 | 足 | 膝の裏・太もも・足の付け根など汚れがたまりやすい部分 |
7 | 陰部 | お湯に浸かったままだと泡で洗えないので、お湯から出して洗う |
8 | 背中・おしり | うつぶせにし、利き手で支えるお湯に顔が付かないよう気をつける首の後ろもしっかり洗う |
1箇所ごとに泡をしっかりつけて洗い、その都度洗い流していきます。最後にきれいなお湯を全体にかけたら完了です。
しっかり洗うのが重要ですが、強くこするのはNGです。優しくなでるように洗いましょう。
時間は5分〜10分がベスト
長湯になるとのぼせたり、お湯が冷えて体温が下がったりなどが心配です。また肌への刺激や乾燥にもつながります。赤ちゃんの体力的にも問題ないのは5~10分が目安。
また毎日同じ時間帯に沐浴するようにすれば、生活リズムを整えるのに役立ちます。赤ちゃんの機嫌や家庭の事情によってベストの時間帯は違うかもしれませんが、ルーティン化すると良いでしょう。
4.ソープやシャンプーをすすぐ
ソープやシャンプーは部位ごとにつけて、洗うたびにすすぎましょう。最初にためておいたお湯に洗い流したソープやシャンプーが混ざるため、仕上げにきれいなお湯ですすぎます。
赤ちゃんの体を温める意味もあるので、上がり湯用に沐浴用のお湯より少し熱めのお湯を洗面器に用意しておきましょう。沐浴が終わるころには適温になっているはずです。
沐浴を風呂場の洗い場でおこなえば、シャワーを上がり湯に使用できます。その際、必ず温度を手で確認してからかけるようにしましょう。
5.タオルドライして保湿する
上がり湯をかけたあとは、体温がさがらないよう素早くタオルドライします。
タオルドライの手順は次のとおりです。
- ベビーバスのすぐ横にバスタオルを広げておく(事前準備)
- バスタオルの上に寝かせ優しく包む
- タオルの上からそっとおさえるように水分を取る
- 拭き終わったら肌着とオムツを重ねた上に寝かせる
- オムツをつける
服を着る前に、へその緒の消毒と保湿をおこないます。衣服を整えたあと、毛のやわらかいブラシで毛髪を軽くとかしましょう。
最後に水分補給として母乳・ミルクを与えます。
沐浴をしているときの注意点
沐浴の注意点を次の4つのポイントにまとめました。
- 体調不良時の沐浴は避ける
- 授乳1時間前後は避ける
- すすぎ残しに注意する
- 寒い/暑い時間帯は避ける
順にみていきましょう。
体調不良時の沐浴は避ける
新生児は新陳代謝が活発なため、汗や皮脂もたまりやすいといわれています。そのため沐浴は毎日おこないたいものです。
しかし、赤ちゃんやママ、パパの体調不良時には無理する必要はありません。沐浴が難しい場合は、温かいお湯で濡らしたガーゼで、赤ちゃんの顔やおしりを拭くだけでもスッキリします。
授乳1時間前後は避ける
授乳1時間前後を避ける理由としては、次のような理由があります。
授乳直後:入浴中に吐き戻しやすくなる
授乳前:お腹が空いて不機嫌になりやすい
とは言っても、授乳後であれば30分以上たっていれば大丈夫でしょう。
また、深夜だと目が覚めてぐずりやすくなるともいわれています。できるだけ機嫌のよい昼間におこなうようにしましょう。
すすぎ残しに注意する
すすぎ残しは肌荒れの原因となります。ていねいにすすいで、泡が残ったままにならないよう注意しましょう。
なかでも首回りや足の付け根などのシワは、垢がたまりやすいうえにすすぎ残しが多い部分です。素手で触って確認しながら、しっかりとすすぎましょう。
寒い/暑い時間帯は避ける
室温の適温は25度前後です。早朝や深夜など、この温度から大幅に差が出る時間帯は避けましょう。
真夏や真冬などだと、室温が極端に暑い・寒いといったケースもあるはず。その場合は、エアコンなどで室温調整をしっかりしておきましょう。
少しでもラクで簡単な沐浴のコツ
5~10分の沐浴ですが、意外に大変だと感じるママやパパは少なくありません。
そこで少しでもラク&簡単に沐浴できるコツを紹介します。
- 沐浴後にマッサージする
- 他の人に手伝ってもらう
- 便利グッズを使う
- 時間がないときは短縮する
- 用品を一箇所にまとめておく
順にみていきましょう。
沐浴後にマッサージをする
沐浴後に軽くマッサージをするのもおすすめです。ただし新生児の肌はデリケート。本格的なベビーマッサージは、生後2~3ヶ月たってからにしましょう。
手や足を軽くマッサージすれば赤ちゃんもリラックスでき、ご機嫌になったりすっと寝てくれたりします。
おすすめのマッサージ方法は、こちらの動画を参考にしてください。
【新生児へのマッサージ手順】
- 笑顔で「はじめるよ~♪」と声掛けする
- 足裏を親指で優しくなでる
- 親指で足裏の真ん中から少し上を優しく押す
- 足の甲を人差し指と中指でくるくるなで回す
他の人にも手伝ってもらう
慣れてくれば、ひとりでも問題なく沐浴させられるかもしれませんが、初めての育児だと不安だらけですよね。「落としたらどうしよう」「泣いちゃったらどうしよう」と神経質になってしまっても無理はありません。
可能であればパートナーや家族にサポートしてもらうのがおすすめです。どうしてもワンオペで沐浴しなければいけない場合のコツは、こちらの記事にまとめています。ぜひ参考にしてください。
便利グッズを使う
沐浴をサポートしてくれる便利グッズがあるので、積極的に利用してみましょう。
次のようなアイテムが人気です。
- 沐浴ネット
- 沐浴剤
沐浴ネットは、ベビーバスに取り付けて沐浴をサポートしてくれるネットのことです。赤ちゃんの頭が安定するため、両手を使えます。ネットタイプ以外に、ふんわりしたバスマットタイプもあります。
どちらも取付や取り外しが簡単なため、沐浴が終わるごとに洗えるのが嬉しいところ。価格も1,000円~2,000円とお手頃です。
沐浴剤は、洗浄成分と保湿成分が含まれた新生児専用の入浴剤です。ベビーソープに比べると洗浄力が弱いため、洗い流す必要がありません。
沐浴後は、タオルでふき取るだけでOK。ただし乳児湿疹ができてしまうようであればベビーソープに切り替えましょう。
時間がないときは短縮する
「新陳代謝が活発な新生児は、毎日沐浴しましょう」と言われると、できないことに罪悪感を抱いてしまう方も。しかしママやパパだって予定やコンディションによっては、フルコースで沐浴できない日も当然あります。
そんな日は、おしりや陰部など汚れやすい部分だけ洗って済ませるなど時間短縮しても大丈夫です。体の冷えに気をつけるのであれば、軽くシャワーで流すだけの日があってもいいでしょう。
用品を一箇所にまとめておく
沐浴を始めると、赤ちゃんから手を離すことはできません。そのため始める前は、必要なアイテムや着替えなど、すべてを事前に用意しておきましょう。
- ソープやシャンプーはベビーバスの手に取りやすい位置にまとめておく
- バスタオルを広げておく
- 肌着とベビー服をセットして広げておく
- オムツを肌着の上に広げておく
- 保湿剤や綿棒は着替えの近くにセットしておく
このようにセットしておけば、慌てなくて済みます。使いやすいよう一箇所にまとめておきましょう。
沐浴に関するよくある質問
沐浴に関する、よくある質問を集めました。
Q.沐浴は毎日やらないといけない?
Q.1日2回以上沐浴してもよい?
Q.沐浴は何歳になるまで必要?
Q.どうやって練習すればよい?
順にみていきましょう。
沐浴は毎日やらないといけない?
赤ちゃんの沐浴は、季節に関係なく毎日行うのが基本。新陳代謝が活発な赤ちゃんは、汗や皮脂をたくさん分泌しています。ミルクの吐き戻しや、おしっこ・ウンチなどの汚れもつくので、できるだけ清潔にしてあげたいですよね。
ただし体調不良やスケジュールの関係で、できないときもあるはず。毎日完璧にするのは大変ですから時には休んでも大丈夫です。そんなときは蒸しタオルやガーゼで優しく体を拭いてあげましょう。
1日2回以上沐浴してもよい?
基本は1日1回ですが、もちろん2回以上沐浴しても大丈夫です。汗をたくさんかく夏場やウンチが緩くおしりが汚れてしまった場合など、さっぱりしたいときがあるはず。
沐浴は体力を使うので、2回目以降の沐浴は赤ちゃんの機嫌や肌の様子を見ながら決めましょう。
また、2回目以降は念入りに洗う必要はなく、温かいシャワーでさっと流すだけでOKです。できるだけ短時間にするようにしましょう。
沐浴は何歳になるまで必要?
一般的におへそが乾いて、1ヶ月検診でOKと言われたら沐浴卒業です。もちろんベビーバスのほうがママやパパの負担がないようでしたら、2ヶ月目以降でも沐浴でもOK。
ベビーバスのサイズによりますが、体重4~6㎏までなら問題なく使用できます。
ナイスベビーのアンケートによれば約7割のママパパが、1ヶ月ごろに沐浴を卒業しています。
4ヶ月頃に沐浴を卒業した方もいるので、1ヶ月検診のあと~4ヶ月の間で「もういいかな」と感じたタイミングで卒業しましょう。
どうやって練習すればよい?
一般的に、出産後~退院するまでの間に何度か沐浴の練習をさせてもらえます。正常分娩の場合は産後3日目から、帝王切開の場合は産後4日目から沐浴を開始するのが一般的です。
助産師や看護師にサポートしてもらいながら練習しましょう。産院によっては、両親教室などで人形を使って練習させてもらえる場合もあります。
まとめ
この記事では、沐浴に関する情報をご紹介しました。
最後に重要な点をおさらいしておきましょう。
- 沐浴の前に必要な用品をそろえておく
- 適切な湯温は38度・室温は25度
- 部位ごとに洗う→すすぐを繰り返す
- 体調が悪いときはお休みしてもOK
- 授乳1時間前後は避ける
- 便利グッズを使うのもあり
沐浴は、生後の約1ヶ月間といった短い期間で終わりますが、繊細な赤ちゃんの肌を健やかに保つためには大切な習慣です。
また、家族と赤ちゃんのコミュニケーションの場でもあるので、コツや注意点に気をつけながら楽しみましょう。