生まれて1年以内の赤ちゃんは、いつお風呂に入れたらいいのでしょうか。初めての育児であれば、わからないことばかりですよね。
「適切な時間帯や入浴時間を知りたい」
「手順やコツを知りたい」
「遅い時間にお風呂を入れても大丈夫?」
この記事では、赤ちゃんの入浴に関する方法やポイントについて解説します。時間帯や温度など細かいコツも紹介するので参考にしてくださいね。
赤ちゃんをお風呂に入れる時間帯・入浴時間・温度
赤ちゃんをお風呂に入れる時間帯や適切な入浴時間は、どのくらいでしょうか。
ここでは入浴に関する適切な時間や温度に関して解説します。
- 時間帯は「何時でもよい」
- 月齢ごとの入浴時間早見表
- お風呂の温度は38度から40度
- 脱衣所にはエアコンをつけよう
順にみていきましょう。
時間帯は「何時でもよい」
ベビー用品メーカのピジョンがおこなったアンケート「何時ごろに赤ちゃんをお風呂に入れていますか?」によると、一番多いのが18時前後(30%)でした。
午前中から16時ごろまでの日中にお風呂に入れる割合は12%となっていることから、圧倒的に夕方から夜にかけて入浴させる家庭が多いようです。
入浴に関して気をつけるべき点は次のとおりです。
- 授乳後やご飯のすぐあとは控える
- 生活リズムを整えるために同じ時間帯に入れる
- 赤ちゃんの機嫌のよいときに入れる
この3点を満たす時間帯は、家庭の状況や赤ちゃんの生活リズムによって違ってくるもの。とくに生後1~2カ月の時間は、両親の都合を優先に考えても大丈夫です。
そのうち睡眠サイクルが整ってくるので、寝る1時間前くらいまでに入浴するよう意識していきましょう。
月齢ごとの入浴時間早見表
次にお湯に浸かっている入浴時間について表にまとめました。
赤ちゃんは、のぼせない程度にさっと浸かるくらいで大丈夫です。寒い冬の場合は、体を温めるために少し長くても良いですが、1歳前後の赤ちゃんでも10分以内に上がるようにしましょう。
月齢 | 入浴時間 |
0ヶ月 | 3~5分(沐浴) |
1~2ヶ月 | 2~3分(大人と同じお風呂) |
3~4ヶ月 | 5分以内(長湯はしない) |
5~6ヶ月 | 5分以内 |
7~8ヶ月 | 5分程度 |
1歳前後 | 5~10分程度 |
髪や体を洗う時間も含め、トータルでも20分以内を意識すると良いでしょう。
0~1カ月は沐浴といって、ベビーバスで赤ちゃんを入浴させます。沐浴の手順については、こちらの記事を参考にしてください。
お風呂の適温は38度から40度
赤ちゃんのお風呂の適切な温度は38~40度。大人よりも少しぬるめの温度設定にしましょう。
もちろん、季節に合わせて温度を調節するのも重要です。夏は少し低めの38度、冬は少し高めの40度を目安にしておくと良いでしょう。
脱衣所にはエアコンをつけよう
寒い冬は、せっかくお風呂で体が温まっても、脱衣所が寒いと体温が低下することも。赤ちゃんが気持ちよくお風呂から出られるように、あらかじめエアコンなどで脱衣所を温めておきましょう。
脱衣所にエアコンがない場合は、持ち運びができるヒーターを利用するのもおすすめ。数千円から1万円前後で手に入り、冬場のトイレや室内干しの衣類乾燥にも利用できます。
お風呂に入る前に準備しておくもの
お風呂に入る前に次のようなグッズを準備しておくとスムーズです。
【入浴中に必要なもの】
- ガーゼタオル
- バウンサー
- スマートフォン
- 温度計
【入浴後に必要なもの】
- おむつ
- スキンケア用品
- 水分
- 着替え
- バスタオル
- おもちゃ
ワンオペで赤ちゃんをお風呂に入れる場合の解説は、こちらの記事を参考にしてください。
赤ちゃんをお風呂に入れるときの流れ
赤ちゃんをお風呂に入れる際は、次の手順を参考にしてください。
- お湯をためながら脱衣する
- 自分の頭と体を洗う
- 赤ちゃんの頭と体を洗う
- 赤ちゃんと一緒にお風呂に入る
- お風呂上がりの着替えとスキンケアをする
- 授乳など水分補給する
順にみていきましょう。
1.お湯をためながら脱衣する
生後すぐはベビーバスで沐浴をしていた赤ちゃんも、2カ月たつとベビーバスからはみ出すほどの大きさに成長します。そのため生後1~2カ月ごろから大人と同じお風呂に入れるようになります。
先ほど紹介したように適切なお風呂の温度は38~40度です。寒い時期だと、あっと言う間に湯の温度が下がってしまうため、湯をためながらグッズを用意したり脱衣したり、準備を進めましょう。
2.自分の頭と体を洗う
素早く自分の体と髪を洗いましょう。赤ちゃんはバウンサーや脱衣所に待機してもらいます。
様子が気になるのであればドアを開けたまま洗うようにしてもOK。赤ちゃんに水滴や泡がかからないよう気をつけましょう。
3.赤ちゃんの頭と体を洗う
首がすわっていない場合は、首の後ろを支えながら赤ちゃんの体を洗います。しっかり泡立てたベビーソープで、手やガーゼなどで優しく洗っていきましょう。
ベビーソープは、片手でプッシュできるもの、さらに髪と体どちらにも使えるタイプだと便利です。片手で支えるのが大変な場合は、バスマットやベビーチェアを利用しましょう。
4.赤ちゃんと一緒にお風呂に入る
泡を流した後は、赤ちゃんを抱っこした状態で一緒に浴槽に入ります。しっかり赤ちゃんの体を支え、転倒などに注意しましょう。
お風呂に浸かっている時間は、早見表で紹介した時間を目安にします。数分程度にとどめ、赤ちゃんがのぼせないよう気をつけましょう。
5.お風呂上がりの着替えとスキンケアをする
パートナーなど補助の大人がいる場合は、赤ちゃんを受け取ったらすぐに着替えとスキンケアをします。お風呂に入る前に、着替えやオムツ、スキンケア一式をセットしておくと慌てずに済むでしょう。
赤ちゃんを受け取ってくれる大人がいない場合は、広げていたバスタオルに赤ちゃんをいったんくるみます。自分の体の水滴を拭いたら、赤ちゃんにベビーローションなどの保湿剤でスキンケアをして服を着させてあげましょう。
6.授乳など水分補給する
最後に水分補給をさせましょう。入浴中は、知らないうちに汗をかいており、体内の水分が失われるため、入浴後の水分補給は重要です。
授乳中の場合は、母乳やミルクで水分補給します。白湯を与える場合は、離乳食を始める1~2カ月前からにしましょう。
白湯は、いったん沸騰させて覚ましたぬるいお湯のことです。赤ちゃんに与える場合は、人肌より少し高い35~37度が適温といわれています。
赤ちゃんのお風呂時間充実&効率化するコツ
赤ちゃんのお風呂時間を充実させる、効率化して大人の負担を軽くするなどといったコツを4つ紹介します。
- パパとママが一緒にお風呂に入る
- 便利グッズを使う
- スマートフォンを使う
- お風呂に入らない日を作る
順にみていきましょう。
パパとママが一緒にお風呂に入る
片方が赤ちゃんをお風呂に入れて、片方が受け取るといった連係プレーもよいですが、時にはパパとママと赤ちゃんとで一緒に入るのもおすすめです。
先に出たほうが身支度を整えて、赤ちゃんを受け取ってお世話します。交代で担当すれば、ゆっくり湯船につかりたいといったリラックスタイムを順番に味わえるでしょう。
もちろん長湯は禁物。赤ちゃんがのぼせないよう気をつけつつ、親子のコミュニケーションを楽しみましょう。
便利グッズを使う
便利グッズを利用して、赤ちゃんの待機場所を快適なスペースにしましょう。入浴前後に赤ちゃんを安心して寝かせておける場所があると、焦らずに済みます。
赤ちゃんの入浴を済ませて、機嫌よく待っていてくれるよう、次のようなアイテムを使うのがおすすめです。
- クーハン
- バウンサー
- ハイローチェア
- お風呂マット
- 手桶
クーハンは持ち手がついている移動式のベッドで、お風呂上りに必要な着替えやオムツなどを中にセットしたまま移動できます。バッグ型のクーハンであれば、マット状に広げられるため、成長後もお昼寝マットとしても便利です。
バウンサーやハイローチェアは、心地よい揺れで赤ちゃんをあやしてくれる便利アイテム。パパママが自分の髪や頭を洗っている間の待機場所としてはもちろん、他の場所でも利用できます。
お風呂マットは、寝かせて洗う場合に便利。硬い浴室の床で寝かせずに済み、安全面でも役立ちます。必ず滑り止め加工が施されたものを選ぶようにしましょう。
手桶は、片手で抱っこしながら掛け湯をする時に便利。ほかにもパパママ用のバスローブがあれば、羽織るだけで水滴を吸ってくれるので、お風呂を出てすぐに赤ちゃんのお世話ができます。
スマートフォンを使う
赤ちゃんが泣いてしまったとき、お気に入りの音楽を流すのはいかがでしょうか。
YouTubeでは「赤ちゃんが泣き止む」「眠くなる」などの動画がアップされています。おすすめの中から気に入ったものをスマホで再生して、ご機嫌で過ごしてもらうようにしましょう。
お風呂に入らない日を作る
汗をたくさんかく赤ちゃんだからこそ、毎日お風呂に入れてスッキリさせてあげたいですよね。お風呂に入ることで生活リズムが整うといったメリットもあります。
しかしパパやママの体調が悪いときや時間がどうしても取れなかったときなど、無理して入らなくても大丈夫。「完璧じゃなくてもいい」と気持ちに余裕を持つようにしましょう。
【補足】お風呂タイムで気をつけたいこと
先輩パパママの失敗談から次のようなことに気をつけたいという意見も。
- シャワーの水流を強くしすぎない
- 温度を上げない
- 転倒転落には注意する
- 決して目を離さない
大人には普通の水圧や温度も赤ちゃんにとっては強すぎる・熱すぎることも。シャワーは弱めにして、足元から上に向かって掛けるようにします。そして安全面には十分注意して、目を離さないようにしましょう。
赤ちゃんのお風呂に関するQA
赤ちゃんのお風呂に関する、よくある質問をまとめました。
Q.お風呂の時間がバラバラだとよくない?
Q. お風呂に入らないで寝てしまったらどうすればよい?
Q. のぼせの症状が出たらどうすればよい?
Q. 入浴剤はいつから使えばよい?
順にみていきましょう。
Q.お風呂の時間がバラバラ・遅いとよくない?
沐浴の場合は、基本的に午前でも午後でも大丈夫。ただし、生活リズムを整えるために、夜遅い時間は避けましょう。
というのも夜遅くにお風呂に入れると、赤ちゃんが興奮してしまい、寝つきが悪くなることもあるためです。
足利短期大学(西敏郎、池田法子、佐々木由美子)による調査報告書によれば、赤ちゃんが昼と夜の区別がつき始めたのは、生後6カ月以内で31%、6~9カ月以内で23%となっています。
お風呂の時間を一定にしていくと、生活リズムも早く整うかもしれません。
Q.お風呂に入らないで寝てしまったらどうすればよい?
無理に起こしてお風呂に入れる必要はありません。汗をかいていて肌荒れの心配がある場合は、次の日の早い時間にお風呂に入れてあげましょう。
もちろん、温めたガーゼで軽く拭くだけでもスッキリするので、お風呂の代わりにしても大丈夫です。
Q.のぼせの症状が出たらどうすればよい?
赤ちゃんは、体が小さく体温調節がうまくできません。「のどが渇いた」と訴えることもできないため、顔の赤みや体温、機嫌などから判断して早めの対処を心掛けます。
のぼせの症状が出たら、まずは体を冷やすようにしましょう。衣服を1枚脱がせ、ゆったりとした格好にし、風を送ります。
冷えたタオルや食品についている保冷材で、首回りやわきなどの太い血管が走る部位を冷やすのも有効です。意識があり飲み込みができるのであれば、母乳やミルクなどの水分をしっかりとらせましょう。
6時間経過しても次のような症状であれば、病院の受診をおすすめします。
- 発熱して体温が下がらない
- 汗が出ない
- 手足は冷たい
- 反応が鈍い
- 6時間以上尿が出ない
普段から、お風呂の温度を高くしない、長湯しないことを心掛けて、赤ちゃんがのぼせないようにしましょう。
参照:千葉医師会|子ども相談室
Q.入浴剤はいつから使えばよい?
一般的に、赤ちゃんの皮膚は生後3~4カ月頃から安定してくるといわれています。しかし乾燥には弱いため、保湿成分を含む入浴剤であれば、生後3~4カ月くらいから試してみましょう。
成分によっては、肌荒れの原因となる場合も。とくにメントールやハッカなど、肌に刺激を与える成分は避けるようにします。もし心配であれば、新生児から使える沐浴剤を使用しましょう。
まとめ
この記事では、赤ちゃんをお風呂に入れる時間や、入れ方、コツについて解説しました。
最後に重要な点をおさらいしておきましょう。
- 時間帯は「何時でもよい」
- お風呂の温度は38度から40度
- 脱衣所にはエアコンをつけよう
- パパとママが一緒にお風呂に入るのもおすすめ
- 便利グッズを使おう
- スマートフォンで音楽や動画を流すのもよい
- お風呂に入らない日があってもいい
ワンオペで赤ちゃんをお風呂に入れるのは大変なので、大人がふたりいるときに連係プレーでできるといいでしょう。もしひとりで入れる場合も、準備をしっかりしておけば安心です。
ぜひこの記事で紹介したコツを活用しながら、赤ちゃんとのリラックスタイムを楽しんでくださいね。