着色料は体に悪い?危険性や影響について詳しく解説

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カラフルなお菓子は楽しい気分にさせてくれますよね。私たちの食欲は、見た目の美しさにも左右されます。そのため着色料は商品の売れ行きやイメージアップのために欠かせない食品添加物です。

しかし身体への影響が気になるところ。

「着色料は食べても安全?」

「発がん性やアレルギーの心配は?」

この記事では、着色料の危険性や身体への影響について詳しく解説します。日々の食事のどこかで口にしているかもしれない着色料への理解を深めましょう。

目次
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着色料は体に悪いは嘘?食品添加物の危険性について

一口に着色料といってもさまざまな種類があります。大きく分けて天然と合成の2種類ある着色料の特徴を次のようにまとめました。

  • 着色料はおもに「天然」と「合成(タール色素)」の2種類がある
  • 発がん性が疑われる赤色2号も使用が認められている
  • コチニール色素でアレルギー反応が出た事例もある
  • 多動性行動を誘発するとの研究がある
  • 結論:日本で使用許可されている着色料は安全性が高い

順に見ていきましょう。

着色料はおもに「天然」と「合成(タール色素)」の2種類がある

着色料は、おもに「天然」と「合成(タール色素)」の2種類があります。昔からの使用実績があるものは「天然色素」といわれ、「既存添加物」と「一般飲食物添加物」の二種類です。

「既存添加物」はクチナシやコチニールなどの47品目、「一般飲食添加物」は赤キャベツ色素やシソ色素などの44品目です。

画像引用:神戸化成株式会社|着色料の基礎講座②

とくに摂取する際に注意したいのは合成着色料

一方で合成着色料は、科学的に合成された着色料を指します。原料は石油精製の際に得られるナフサ。

もともとはコールタールから得られるベンゼンやフェノールといった芳香族化合物を原料としており、その名残が「タール色素」という名前に残っています。現在ではコールタールを原料とする着色料は、ほとんどありません。

日本で使用が許可されている食用タール色素は12種20品目存在します。合成着色料に関する動物実験の結果、使用を禁止する国も多く、安全性については疑問が残ることろです。

ただし天然着色料でも安全とは限らない

じつは天然着色料でも安全性に問題があると発覚し、使用が禁止された例があります

アカネ科のセイヨウアカネという植物の根から抽出された着色料は、天然系の色素として加工肉や菓子類などに広く使用されてきました。しかし、安全性に問題があると指摘され既存添加物名簿から消除されています。

削除の理由はねずみ(ラット)を用いた試験で、腎臓の尿細管という部分に悪性腫瘍の発生が認められたことです。

またセイヨウアカネは韓国で使用されていますが、欧米では使用が禁止されています。天然着色料であっても、安全とは限らない一例です。

発がん性あり?赤色2号も現在は使用が認められている

1976年アメリカにおいて、赤色2号には発がん性の疑いがあるとして、使用が禁止されました。しかしその後、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)によって1978年と1984年に再評価され、発がん性は認められないと覆されました。

現在では、アメリカと一部の国を除き日本・カナダ・EUなどで使用が認められています。このように一度禁止された着色料でも、再評価され再び認可されるケースもあります

参照:食品安全委員会|食品タール系色素

ネットで危険と言われる青色1号は脊椎損傷の治療薬として研究

発がん性があると疑われた「青色1号」も同様です。アメリカでは毒性がないとして米食品医薬品局(FDA)の承認を得ています。それどころか治療薬としての効果が認められた研究結果が発表されました。

「青色1号」は、チョコレートや菓子など青い食品に使用されています。その「青色1号」とほぼ同じ構造の『ブリリアントブルーG』を故意に脊髄を損傷させたラットに静脈注射したところ、注射をしなかったラットよりもはるかに回復が早かったとのこと

ただし副作用として治療中のラットの目や皮膚・細胞が青くなりました。副作用を除けば、治療薬として期待できそうです。

合成着色料やタール系色素を「怖い」「避けないと」と考えるのは、一概に正解とはいえなさそうです。

参照:WIRED|副作用は「青い身体」:食用色素で脊髄損傷を治療

一部のEUで禁止されているのは法律が違うから

一方でEUでは食品添加物として認可されている青色1号ですが、一部の国(ベルギー・フランス・ドイツ・スウェーデン・オーストリア)は使用を禁止しています。

それぞれの国に基準があり、認可されるか禁止されるかは、法律によってまちまちです

それどころか日本で認可していない着色料をEUで使用している場合もあります。「海外で禁止しているから有害だ」と言い切れない一例です。

参照:J-STAGE|世界各国における着色料の許可状況

コチニール色素でアレルギー反応でが出た事例もあるが…

コチニール色素は、サボテンなどに寄生するエンジムシ(カイガラムシ科)の乾燥体から抽出される赤い色素です。食品(清涼飲料水・菓子・ハム・かまぼこ)以外にも医薬品・化粧品(口紅・アイシャドーなど)・染色など広く利用されています。

諸外国で広く使用されており、高水準の安全性が確認されている天然系食用着色料です。

ただし、コチニール色素を含む食品や化粧品を使用して、かゆみ・じんましん・発疹・呼吸困難などのアレルギー症状が出たケースがありました。

消費者庁では注意喚起をおこないましたが、その対応はアレルギーの恐れがある方は皮膚科を受診し、利用を避けるようにといった程度でした。

花粉にアレルギーを起こす人がいるように、天然色素にアレルギー症状を起こす人がいても不思議ではなさそうです。

参照:消費者庁|コチニール色素に関する注意喚起

 1998年代〜2016年時点で報告されたのは24件ほど

ひどい場合はアナフィラキシーショックを起こす恐れもあるコチニール色素ですが、1998年~2016年の間で報告されたのは24件ほどです。

また、コチニール色素にアレルギー反応を起こしたのは、ほとんどが成人女性でした。その多くが食品でアレルギーを起こす前に赤色系の化粧品で皮膚炎を生じた経験があり、最初に化粧品に含まれた色素に反応していた可能性が高いと推測されています。

症例数も少ないことから、注意喚起にとどまっています。ただしアレルギー体質の方は気を付けたいところですね。

参照:大分大学医学部|【研究】コチニール色素によるアナフィラキシー その検査法の確立と症例解析

タートラジンにアレルギー反応が出たとの報告もある

タートラジンは、通称黄色4号とよばれる食用タール色素で、食用ではゼリーやシロップなど多様な食品に使用されています。アメリカやEUでも食品添加物として認可され、工業製品の着色のためにも利用されるメジャーな着色料です。

1981年に報告されたケースでは、喘息患者がタートラジンを摂取した場合、気管支喘息・蕁麻疹・ふたつの合併症などの症状が出ました。

ほかの着色料(食用黄色5号、食用赤色2号・102号)や防腐剤(安息香酸ナトリウム、パラベン)等の食品・アスピリンも同様にアレルギーを誘発するとして注意喚起されています。

参照:J-STAGE|アスピリンおよび合成着色料に過敏な小児の気管支喘息・慢性蕁麻疹の9例
参照:福岡県薬剤師会|タートラジンにアレルギーがある患者は、医薬品にも注意が必要か?

多動性行動を誘発するとの研究があるが…

イギリスのSouthampton大学での研究で、日常的な合成着色料と食品添加物の摂取が多動・注意散漫の原因になる可能性があると報告されました。

試験対象となったのは、3歳と8‐9歳の子ども。イギリスの子どもが毎日摂取している平均的な量の食品添加物を含んだ食事を1週間続けたあと、6週間は食品添加物と着色料を含まない食事を続けて比較しました。

その結果、着色料や食品添加物を含んだ食事を摂取後1時間以内に多動性行動を示すことがわかったと報告されました。それと同時に、含まない食事を続けたら落ち着きを見せたことも判明。

ただし「色素を含む食品は、過剰なカロリーや脂肪など、ほかの栄養上の問題を抱えていることがよくある」として多動の原因すべてが着色料によるものだとは結論付けてはいません。

参照:EatingWell|The Hidden Health Risks of Food Dyes
参照:日経メディカル|合成着色料と食品添加物は子供の多動性を高める?

不確実性が多く必ずしも着色料が原因とはいえない

上記の研究報告は、子どもがいる保護者にとってショッキングな内容ですが、その後欧州食品安全機関が研究結果に対して否定的な評価を発表しています。

この調査は根拠や一貫性が十分でなく、着色料が多動の原因とは断言できないとしたのです。

しかし英国食品基準庁(FSA)は、保護者に対するアドバイスとして、不安を覚える場合は下記の着色料が含まれる食品を避けるよう伝えています。

  • 食用黄色4号(E102)
  • 食用黄色5号(E110)
  • キノリンイエロー(E104:日本未認可)
  • アゾルビン(E122:日本未認可)
  • 食用赤色40号(E129)
  • 食用赤色102号(E124)

不確実性が多く、着色料との因果関係が明確ではないと否定されていますが、イギリスでは一定の措置が取られています。気になる方はチェックしておきましょう。

参照:厚生労働省|食品添加物が児童の多動性に与える影響に関する論文について
参照:食品安全委員会|英国食品基準庁(FSA)、食品の着色料と多動性に関して保護者へのアドバイス更新版を公表

結論:日本で使用許可されている着色料は安全性が高い

日本で認可されている着色料や食品添加物は、ヒトと同じ哺乳類で臨床実験を繰り返して安全性を確かめています。

妊娠中の影響や次世代への遺伝的なリスクなども考慮されているので、かなり安全性は高いといえます。

画像引用:日本食品添加物協会|安全性の確かめ方

また、厚生労働省の調査では、実際に私たちが摂取している量は摂取目安量よりもさらに少ないとわかっています。このことから、ひとまず安全上の問題はないと考えてよさそうです。

世界中の学者が安全性を確認している

日本で認可されている着色料や食品添加物は、世界でも安全性が確認されたという前提があるものばかりです。

世界のチェック機関としては、次の3つが代表的です。

  • WHO(世界保健機構)
  • FAO(国連食糧農業機関)
  • JECFA(合同食品添加物専門家会議)

JECFAは、WHOとFAOが協力して各国の専門家を招集した会議で、食品添加物の規格や安全性の試験結果の評価を年1回おこなっています。

世界中の学者や専門機関が厳しくチェックして安全が認められたものが使用されていると考えると安心ですね。

実際の摂取量は基準値を大幅に下回っている

厚生労働省は、毎年国民の食品添加物と着色料の摂取量を調べています。令和2年の調査結果を見てみると、どの数値も基準値を大幅に下回っていました。

一生摂取し続けても健康に影響がない量=一日摂取許容量(ADI)と比較した表を見ると、基準値よりもはるかに低い摂取量だとわかります。

最も摂取量が多いと思われるカンタキサンチンであっても0.07%でした。

画像引用:令和22年度マーケットバスケット方式による 保存料及び着色料の摂取量調査の結果について

この調査結果を見る限りでは、着色料をほとんど摂取してないといえます。

着色料は体に悪い?添加物について知っておきたいこと

着色料は、一部でアレルギー症状を起こすケースもありますが、ほぼ安全だとわかってきました。さらに着色料について理解を深めるために、次の4つの視点で深掘りしていきましょう。

  • 安全性の基準は動物実験なので人間にとって安全とは限らない
  • さらに複合摂取については不明点が多い
  • 国によっても添加物の規制が異なる
  • 正しい情報を知ったうえで摂取を検討しよう

順に見ていきましょう。

安全性の基準は動物実験なので人間にとって安全とは限らない

食品添加物の安全性は実験を繰り返して確かめられていますが、あくまでも動物実験での話です。

画像引用:日本食品添加物協会|食品添加物フォーマル第32回資料より

動物実験にはヒトと同じ哺乳類であるラットが使用されるケースが多いようです。しかし、ラットとヒトはまったく同じ生物ではありません。

動物実験で証明された無毒性量に1/100をかけた量を1日摂取許容量(ADI)としていますが、本当の意味での安全性の確認は、現在の私たちによってされているといえるでしょう。

あくまでも動物実験で安全性が確認されただけで人間では証明されてはいないという認識を持つことが重要です。

さらに複合摂取については不明点が多い

着色料や食品添加物の個々の安全性は確認されていますが、複数摂取した場合の害については評価手法が確立されていません。

着色料と食品添加物の組み合わせは無数に存在するため、確かめようがないのが実情です

ただし食品安全委員会は、複合摂取を不安視する声を受けて調査をおこなっています。そのレポートによると、海外の研究を複数評価した結果「問題ない」と結論付けています。

調査レポートのくくりとして「消費者の不安を払拭するための取り組みは今後も必要である」と記述しているので、新しい調査発表があれば注目したいところです。

参照:食品安全委員会|食品添加物の複合影響に関する情報収集調査

長期摂取した場合の蓄積についても分からない部分が多い

毎年厚生労働省は、食品添加物を実際にどの程度摂取しているかをマーケットバスケット方式で調査しています。今までの調査では、基準値よりもはるか下回る摂取量だとわかっています

ただし長期摂取による体内への蓄積に関しては明らかになっていません。毎年おこなわれている調査は1年単位のものなので、長期的な視点の調査もおこなってもらいたいものです。

国によっても添加物の規制が異なる

WHO(世界保健機構)やJECFA(合同食品添加物専門家会議)が添加物の安全評価や添加基準について発信していますが、それを参考に各国では添加物のルールを独自に決めています。

日本で認可されていても、海外では認可されていない添加物も存在する反面、その逆もあります。表示の仕方や使用基準などまちまちで、輸入・輸出する場合は、その国の基準に合わせるのがルールです。

画像引用:日本食品添加物協会|日本と海外の添加物規制 ー比較による相違点ー

EUで使用禁止になった添加物を日本が使い続けているとしたら、不安になるかもしれません。しかし国によって規制ルールが違うので、正しいかどうかの判断は難しいところです。

同じ研究で異なる結果が出ることすらある

日本とアメリカ、さらにヨーロッパ各国やEUでも対応が違うケースが少なくありません。添加物の有害性を証明することはハードルが高いという現実もありますが、考え方の違いも大きく作用しています。

例えばEUの場合、より高いレベルの予防的な行動を重視しています。もし科学的な不確実性があった場合でも、予防目的で使用が禁止されるケースもありうるのです。反対にアメリカの場合は、規制を実施するためには有害性の実証が必要となっています。

同じ研究結果でも、国によって対応が異なる可能性があるということです。

参照:化学物質が安全かどうかを誰が決めているのか?

正しい情報を知ったうえで摂取を検討しよう

着色料および食品添加物に関しては、WHOや厚生労働省により安全性が証明されています。しかし完全に安心しきれないのも正直なところです。

ただし添加物は危険と一概に決めつけるべきではありません。正しく摂取すれば、食中毒や病気などから私達を守るものでもあるからです。

大切なのは、正しい情報を知ったうえで自分にとって必要か検討することです。

まとめ

このページでは、着色料の危険性や身体への影響について詳しくまとめました。

最後に重要な点をおさらいしておきましょう。

  • 着色料には「天然」と「合成(タール色素)」の2種類がある
  • 発がん性やアレルギー症状が疑われる色素も存在する
  • 日本で使用許可されている着色料は安全性が高い
  • 安全性の基準は動物実験
  • 複合摂取については不明点が多い
  • 国によっても添加物の規制が異なる
  • 正しい情報を知ったうえで摂取を検討しよう

もともと見た目の良さを追求するために使用される着色料は、栄養面からいえば必要ないものです。ただし、食事には視覚的な刺激も重要。

平均的な摂取量は基準値よりもはるかに低く、身体への影響は心配ないといわれています。できるだけ摂取を避けたい場合は、食品表示をチェックしたうえで購入しましょう

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この記事を書いた人

子供を健康に育てたい全てのママに向けて、栄養や食育、幼児教育などの情報を発信する「mamahealth(ママヘルス)」編集部です。

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