「子どもの勉強をサポートしたい…。」
記憶や学習能力の向上に効果的なイメージがあるDHA・EPAですが、はたして本当の役割はどのようなものなのでしょうか?
結論、飲んだだけで頭が良くなることは証明されていませんが、少なくとも脳の活性化には関与するため、子どもの健康をサポートするためには必要な栄養素と言えるでしょう。
この記事では、DHA・EPAの効果、さらには効果的な活用方法について解説します。
子ども向けDHA・EPAサプリの効果を正しく理解しよう
DHAやEPAサプリの効果と活用方法についてまとめました。
お子さまの健康をサポートするためにも、正しい知識を得てから実践しましょう。
【効果と性質】DHA・EPAサプリは生活習慣病予防になる
DHA・EPAは人間の身体では作り出すことが難しいため、食事によって摂取する必要があります。
マグロやカツオなどの青魚の油に多く含まれており、子どもだけでなく大人にとっても健康を維持するうえで欠かせない栄養素です。
おもな性質や働きは「中性脂肪を減らす」「血液を固まりにくくする」というもの。DHA・EPAともに血液の作用に関連しています。
アメリカで18歳から37歳の健康的な男女324名を対象にした研究では、中性脂肪が平均で28%下がったことが明らかになりました。
介入後はDHA補充グループ(0.26、0.1 mm;平均差-)と比較して対照グループ(0.29、0.1 mm)で高かった。 0.03 mm; 95%CI -0.005〜-0.06 mm; P = 0.02)。他の結果のうち、トリグリセリドのみ(平均差-28%、95%CI -40%〜-15%;P<0。
引用元:Docosahexaenoic acid supplementation, vascular function and risk factors for cardiovascular disease: a randomized controlled trial in young adults.
子どもを対象にした実験ではありませんが、ほかの複数の実験においても同様の結果が得られていることから、信ぴょう性はかなり高いと言えるでしょう。
中性脂肪が減るメリットは、生活習慣病(動脈硬化、高血圧)のリスクを下げ、健康に過ごせること。厚生労働省が提供する情報サイトでも、1日に魚1切れ分のDHA・EPAを摂取することを推奨しているほど、メリットがあります。
DHA・EPAは摂取することで得られる効果が同じ
DHA・EPA協議会によると、DHAやEPAは同じオメガ3系高度不飽和脂肪酸という栄養素だそうです。科学的な構造も非常に似ていることから、同じような効果があるとしています。
販売されているサプリメントでは、DHA・EPAが同じパッケージになっていることがありますが、片方の成分しか入っていない場合でも、得られる効果はほぼ同じと考えた方が良さそうですね。
血小板凝集を抑制することで重病予防の効果が
また健康な男女94名を対象にした研究では、DHA・EPAが血小板の凝集を抑制したとの効果も。
血小板活性に対するn3PUFAの効果を男性と女性の間で比較しました。男性と女性を合わせた場合、EPAとDHAは、プラセボと比較して4週間の補給後に血小板凝集を減少させました(それぞれ-11.8%、P = 0.016;および-14.8%、P = 0.001)。
引用元:Eicosapentaenoic and docosahexaenoic acid supplementations reduce platelet aggregation and hemostatic markers differentially in men and women.
「血小板の凝集を抑える=血液を固まりにくくする効果ある」と言えます。血液が固まらないように血液をサラサラにできれば、脳梗塞や心筋梗塞(心血管疾患)を予防することにもつながるでしょう。
つまり、DHA・EPAは命に関わる病気を予防し、健康の維持をサポートするということ。正しい役割を理解して、子どもの成長のサポートをしてあげたいですね。
うつ病への効果はない可能性が高い
うつが改善されると謳われている場合がありますが、うつ病への効果はあまり期待できないでしょう。
2008年に高齢者302名を対象におこなった研究では、DHA・EPAともに効果がなかったとされています。
このランダム化二重盲検プラセボ対照試験では、研究対象の一般的な高齢者の精神的健康に対する26週間のEPA+DHA補給の効果は観察されませんでした。
引用元:Effect of fish-oil supplementation on mental well-being in older subjects: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial.
高齢者を対象にしているため、子どもとの比較はできませんが、うつ病の改善を期待して摂取するのは適切だと言えませんね。
※妊婦126名を対象にした研究でも、同様の結果が出ています。
DHA・EPAサプリを飲めば頭が良くなるの?
DHA・EPAは脳に多く存在するが、飲んだだけで頭がよくなる効果については根拠に乏しいでしょう。
2012年に7〜9歳の子ども362人を対象にした研究では、DHAサプリを16週間服用した場合に、文字を読む能力が向上し、ADHD(多動性障害)の症状が改善されたとの報告があります。
親が評価した行動の問題(ADHDタイプの症状)は積極的な治療によって大幅に軽減されましたが、教師が評価した行動または作業記憶のいずれにもほとんどまたはまったく影響が見られませんでした。
引用元:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22970149/
ただしこの研究の対象は、注意欠陥/多動性障害(ADHD)や発達協調性障害(DCD)などの神経発達障害を持つ子供たち。
学力が向上したように見えますが、一般的な読み書き能力の子どもについては記されていません。また、あくまで親と教師が子どもに対して評価した結果です。
十分な根拠があるのは「心疾患リスクの低減」「中性脂肪低下」など
消費者庁は機能性に十分な根拠があるものについてはAと評価しています。
「心疾患リスク低減」「中性脂肪低下」に加え、「関節リウマチ症状緩和」の3つがAと評価されているので、少なくともこれらの効果は期待できるでしょう。
科学な根拠が十分にある効果を目安にして、サプリメントを購入する方が良さそうですね。
ただし、DHA・EPAは脳の働きには関与している
直接的に頭が良くなる効果は実証されていませんが、DHAやEPAは脳や目などの神経細胞の働きには関与しています。
とくにDHAは脳を構成する約140億個の脳細胞の膜に存在していることから、不足すると神経の情報伝達能力の低下に繋がる可能性も。
2012年に発表された論文では、平均年齢69歳の女性854名の赤血球中のDHA量と脳の加齢障害との関係を調べたところ、DHAが不足している人は、視覚記憶テストのスコアが低いことが判明しました。
DHAおよびω-3インデックス(RBC DHA + EPA)レベルが低い参加者(Q1対Q2-4)は、視覚記憶のテスト(β±SE=-0.47±0.18;p= 0.008)、実行機能でもスコアが低かった
引用元:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22371413
つまり、DHA・EPAは脳の働きに関与し、不足した場合には脳の働きを低下させる可能性があるということです。
不足による脳機能の低下を抑制する目的(脳の健康維持)で使用するとサプリメントを効果的に活用できるでしょう。
DHAは視力に関係する可能性がある
目の網膜に多量のDHAが含まれていることから、目に何らかの効果をもたらすことも示唆されています。
脳が発達する胎児期から幼児期にかけて脳のDHA量を測定したところ、DHA摂取量が多い子どもは、摂取量が少ない子どもに比べて、視力の向上が見られました。
また網膜にDHAが存在していることは、さまざまな研究で明らかになっているため、目に良い効果をもたらす可能性は期待して良いでしょう。
【DHA・EPAサプリの飲み方】どれくらいの量?何歳から?
厚生労働省では、オメガ3系脂肪酸(DHA・EPA)の目安量を1歳で0.7g/日、10歳前後で1.6g/日としています。
※目安量:ある一定の栄養状態を維持するのに十分な量
年齢等 | 男性目安量(g/日) | 女性目安量(g/日) |
---|---|---|
0~5(月) | 0.9 | 0.9 |
6~11(月) | 0.8 | 0.8 |
1~2(歳) | 0.7 | 0.8 |
3~5(歳) | 1.1 | 1.0 |
6~7(歳) | 1.5 | 1.3 |
8~9(歳) | 1.5 | 1.3 |
10~11(歳) | 1.6 | 1.6 |
12~14(歳) | 1.9 | 1.6 |
15~17(歳) | 2.1 | 1.6 |
18~29(歳) | 2 | 1.6 |
10歳を例にすると、1.6gが目安量なので、まぐろの刺身であれば5〜8切れ程度。DHA・EPAが500mg配合されているサプリメントなら1日3粒程度に相当します。
DHAやEPAが含まれているような魚をまったく食べない場合には、上記の量を目安に摂取すると良いでしょう。
不足したからと言ってすぐにリスクがあるわけではないですが、子どもの健康を考えると、適度に摂取しておきたいところです。
サプリメントは商品によって対象年齢が異なる
DHA・EPAのサプリメントを子どもに与える場合には、商品パッケージ裏の「対象年齢」や「飲み方」を確認しましょう。
- 1日3粒を目安にしてください
- 1歳未満の乳児には与えないでください
- 小さなお子さまは喉を詰まらせる恐れがあるので注意してください
上記のように商品には正しい飲み方が記載されているので、1日の摂取目安量を守りながら使用すると良いですね。
サプリメントはあくまで栄養補助食品。基本は食事をメインにして、不足しがちな場合に補うことが理想的です。
ちなみに魚は生の方がDHA・EPAを効率良く摂取できます。減少率は「焼く・煮る」で約2割、「揚げる」は約5〜7割。サプリメントと生魚などを使い分けながら摂取してみてくださいね。
過剰摂取(3g/日以上)は多少のリスクがあるかも…。
DHA・EPAなどを含むオメガ3系脂肪酸を食事以外から摂取した場合に、不整脈の一種である心房細動のリスクが上昇することが示唆されました。
オメガ3脂肪酸の摂取は心房細動リスクの有意な上昇と関係しており、対照群に比べ、オメガ3脂肪酸を投与した介入群の心房細動リスクは1.25倍になっていました。
引用元:日経ビジネス
研究の対象者の平均年齢が65歳で、サプリを長期間摂取した場合のリスクは言及されていないため、すべての子どもに当てはまるわけではありません。
とはいえ、厚生労働省が出している目安量を守った方が良さそうです。
血圧降圧剤との併用には要注意
DHA・EPAは血圧を低下させる可能性があるため、降圧剤との併用には注意が必要です。降圧剤に限らずですが、ほかの薬を併用している場合は、医師に相談してから使用しましょう。
ほかにも厚生労働省では、DHA・EPAのサプリメントについて以下のように提言しています。
- 副作用は一般的に軽度である。不快な味、口臭、悪臭を伴う汗、頭痛、その他胸焼け、悪心、下痢などの胃腸症状がある。
- オメガ-3サプリメントは血液凝固に影響する医薬品との相互作用が認められる可能性がある。
- 魚介類アレルギーを持つ人が魚油サプリメントを摂取することに対する安全性は不明である。
副作用が軽度であることから、健康な子どもが目安量を守っている限り、安全な成分だと言えそうです。どうしても不安な場合は、まずは医師に相談しましょう。
子どもの安全には「国内製造&無添加」のサプリがおすすめ
DHA・EPAを含む健康食品やサプリメントは多く販売されています。商品ごとに謳われてる効果や規格などがことなるので、購入前には確認しておきましょう。
やはり、国内で製造されているか販売元が日本である商品が安全です。また身体に悪い添加物を避けるためにも、無添加のものが良いでしょう。
反対に輸入品や、成分名が記載されていない商品は要注意。海外の会社が販売しているものは、何か不具合がある場合に対応してくれない可能性があります。
適切に子供の健康を守るためにも、正しい知識を持っておきたいですね。
まとめ
このページでは、DHA・EPAサプリメントについて、効果や安全性、さらにはおすすめ商品の特徴などを解説しました。
最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。
- DHA・EPAサプリは生活習慣病予防になる
- 血小板凝集を抑制する効果もある
- 頭がよくなる効果については根拠に乏しい
- 脳の働きには関与している
- 摂取量は厚生労働省の食事摂取基準を参考に
- サプリメントは商品によって対象年齢が異なる
- 過剰摂取(3g/日以上)は多少のリスクがあるかも
- 子どもには「国内製造&無添加」のサプリがおすすめ
DHA・EPAは子どもだけではなく、大人にとっても必要な成分です。
科学的な根拠が示されていない商品に関しては、サプリメント以外の摂取方法がないかを考えると、解決策が見つかるはず。
正しい知識を持ってサプリメントを利用して、子どもの健康のサポートしてあげてくださいね。
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