- 周りの子どもと比べて背が小さいと感じる…。
- 身長を伸ばす方法をたくさん見かけたけど、それってホントに効果があるの?
親ならば誰しも、わが子には大きく健やかに育ってほしいと思いますよね。
日本小児内分泌学会の研究によると、「食事・運動・睡眠」などの改善によって、身長を伸ばせる可能性があると示唆されています。
そこで本記事では、生活習慣の改善をすべき理由や根拠を基に、小学生が身長を伸ばす方法をご紹介。
正しい「食事・運動・睡眠」の習慣は、スポーツで身体を大きくしたい場合にも役立つでしょう。
知らなきゃ損!小学生で身長は伸ばせる?
背が伸びる仕組みや生活習慣を改善すべき理由や根拠についてまとめました。
- 身長が伸びないのは、成長期が遅いだけ
- 8割は遺伝!身長は残りの2割で改善できる
- 成長ホルモンの分泌こそが成長のカギ
- どうしても不安なら小児科医に相談して解決しよう
正しい知識があれば、限られた成長期の時間を無駄にすることなくサポートできますよ。
ちょっとまって!成長期が遅いだけかも…
じつは背が低いと感じるのは、成長期が遅いだけかもしれません。
下記の図にある点線を見ると、男女ともに10歳頃から急激な伸びが始まることが分かります。
個人差はあるものの小学校で年間5〜6cm、なかには1年間で10cm以上伸びることも。
ただし、思春期は個人差が大きく、中学生になっても始まらない人もいるのが現状です。
小学生の時点で低くても、高校生になってから大きく背が伸びる場合もあるので、あまり心配する必要はないでしょう。
子どもの背が小さい…。それってホント?
「クラスでは、一番小さい」「周りの子よりも小さい」と心配になるかもしれませんが、実は国内全体で考えれば心配するほどではない可能性もあります。
正当に判断するためにも、日本厚生労働省が発表している低身長の基準を参考にするのが良いでしょう。
年齢 | 男の子 | 女の子 |
---|---|---|
7歳 | 109.5cm以下 | 108.8cm以下 |
8歳 | 114.7cm以下 | 113.9cm以下 |
9歳 | 119.7cm以下 | 121.2cm以下 |
10歳 | 124.5cm以下 | 123.9cm以下 |
11歳 | 128.9cm以下 | 133.8cm以下 |
12歳 | 133.9cm以下 | 137.0cm以下 |
※「平成12年 乳幼児身体発育調査報告書(厚生労働省)」より
同性・同年齢の子どもが100人いた場合、低身長は低い方から数えて2〜3番目までを示します。
もし、お子さまの身長が低身長の目安よりも低いことに不安を感じるのなら、医師や保健師に相談するのも一つの手です。
8割は遺伝!身長は残りの2割で改善できる
子どもの身長や体重は親からの遺伝が8割。そのほかの2割は、外的要因(食事・運動・睡眠など)に影響することが明らかになっています。
25万人を対象にした遺伝子研究では、親と子の身長には相関があることが示唆されました。
出典:Tall tale: scientists unravel the genetics of human height
身長には親からの遺伝が大きく影響するものの、適切な生活習慣を送れば将来の身長を変えられる可能性があります。親の心がけ次第では、子どもの身長を大きく伸ばせます。
計算で将来の身長を予測してみましょう
遺伝による将来の身長は、以下の式で算出できます。計算式に数字を入れて、予測してみましょう。
- 男の子の場合=(父親の身長+母親の身長+13)÷2+α
- 女の子の場合=(父親の身長+母親の身長−13)÷2+α
例えば、父親の身長が175cm、母親の身長が155cmの場合。
男の子=(175cm+155cm+13)÷2+α=343÷2+α=171.5cm+α
例を参考に考えると171.5cmが遺伝的な要素で、「+α」が生活環境によって左右される身長です。将来の身長を大きく伸ばしたい場合は、+αである生活環境の改善に取り組んで、将来の予測よりも身長を大きく伸ばしましょう。
(生活環境の改善に関する具体的な方法は、記事の後半で解説しています。)
環境要因次第では予測身長よりも低くなる
過ごしづらい環境で育った場合、子供の身長は予測値よりも低くなる場合が。
整形外科クリニック院長の飛田先生によると、遺伝的な予測身長に加えて±9cmの差が出るようです。
- いつも怒ってばかりで愛情がない
- 就寝時間が短くていつも寝不足
- ラーメンやお菓子などばかり食べていて食生活が偏っている
上記のような環境では子どもがストレスを感じやすいので、本来よりも背が伸びなくなる可能性があります。
子どもにとって良い環境を作るように心がけましょう。
参考文献:「身長は9歳までの生活習慣で決まる」 【著者】飛田 健治 幻冬舎
「成長ホルモン」の分泌こそが身長を伸ばすカギ
身長を伸ばすためには、骨を大きく成長させる(=身長を伸ばす)役割を果たす成長ホルモンの分泌が大きなカギを握ります。
通常は脳から分泌されますが、正しい「食事・運動・睡眠」の習慣によって、さらに多くのホルモンを分泌させられます。
- 食事:成長ホルモンの分泌に必要な栄養素を摂取する
- 運動:運動する行為が成長ホルモンの分泌を促す
- 睡眠:寝る行為が成長ホルモンの分泌を促す
反対に食事・運動・睡眠などをおろそかにすると、本来分泌されるべき成長ホルモンが少なくなり、成長阻害につながることは言わずもがな。
インターネット上には、さまざまな俗説がありますが、成長を阻害しないための基本は生活習慣を整えること。まずは日常生活から改善してみましょう。
骨は成長期の子どもしか伸びない
背が伸びるとは、骨の両端にある骨端線(こったんせん)と呼ばれる軟骨が成長することを示します。
おもに骨端線は成長期の子どもしか伸びないので、この時期にいかに成長ホルモンを分泌させるかが重要です。
不安や悩みがあるなら小児科医に相談しよう
子どもの成長に関する不安や悩みがある場合は小児科医に相談するのがおすすめです。
小児科医に行くメリットは、子どもの症例を見ている医者がいること。大人と子どもでは同じ病気でも、症状の出方や注意点が異なります。
子どもの視点に立って指導してくれるので、まずは小児科医に相談してみましょう。
さらにインターネット上の遠隔医療相談サービスを使えば、子育ての不安や悩み事を無料で相談できますよ。
小学生で身長を伸ばす5つの方法
身長を伸ばす5つの具体的な方法をまとめました。
- 偏らない食事こそが成長を促進させる
- 毎日60分の運動で心も体も元気になる
- 睡眠不足は子どもの敵!自然な眠気を誘おう
- サプリメントは足りない栄養を補う目的で使おう
- 成長ホルモンの注射は最後の手段
それぞれの内容をくわしく解説していきます。
1.偏らない食事こそが成長を促進させる
子どもの成長に必要なものは、成長ホルモンを分泌を促し、体を丈夫にしてくれる栄養です。
アルギニンや亜鉛が成長ホルモンを分泌させると謳われていますが、特定の食べ物を摂取するだけで背は伸ばせません。
1日3食ともバランス良く取り入れましょう。
- ご飯やパンなどの主食:体を動かすエネルギー源になる
- 野菜やきのこ類などの副菜:体の調子を整えてくれる
- 肉や魚などの副菜:体を作るもとになる
食事バランスガイドを参照しよう
具体的な取り入れ方は、下記の食事バランスガイドを参考にしてください。
食事バランスガイドでは1日の食事を「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」の5つに区分しています。
5つの区分から栄養素をまんべんなく摂取するように意識しましょう。
食事例)10歳の男子小学生の場合
・必要なエネルギー量:約2,000kcal
・朝食:食パン6枚切りを2枚、野菜ソテー、野菜の付け合わせ、野菜ジュース、目玉焼き、チーズ ・昼食:ご飯大盛り1杯、魚の竜田揚げ、具入り味噌汁、酢の物、牛乳、リンゴ半分
・夕食;ご飯大盛り1杯、肉野菜炒め、ひじきと豆の煮物、乳製品、ミカン
食事バランスガイドの詳しい活用方法は、厚生労働省の食事バランスガイド(基本編)をご覧ください。
食事バランスガイドは、健康な方々の健康作りを目的に作成されたものです。
糖尿病や腎臓病を患っている方は、医師または管理栄養士の指導に従いましょう。
また必要な食事量は、子どもの体重や運動量によっても異なります。あくまで目安として参考にしてください。
好き嫌いは調理方法や食事の出し方を工夫しよう
子どもの成長のために料理を作っても、苦手な物は簡単に食べてくれない場合がありますが、落ち込む必要はありません。
普段お子さんのためにしてあげている繊細な気遣いや地道な努力こそが、偏食を防ぐ大きな要因になっているからです。
- 野菜はすりおろしたり、細かく刻んだりする
- 辛みや苦みがあるものは、加熱調理して甘みを引き立たせる
- 綺麗な盛り付けにしたり、食器を子ども好みにしたりする
好き嫌いには臨機応変に!
「ピーマンは食べないけど、ブロッコリーは食べてくれるなら良しとしよう」
このように特定の食べ物が食べられなくても、ほかの食材で補えば栄養の偏りは少なくできます。
嫌いな食材がある場合に最適な方法は、クックパッドのようなレシピサイトで「野菜嫌い 子供」と検索すること。
野菜嫌いに関連したレシピが1,967品出てくるので、苦手な食べ物の代わりになるような食材やレシピを探せます。
好き嫌いがあっても臨機応変に対応しましょう。
ただし、偏食は今後の成長に影響が出る可能性があるので要注意。どうしても偏食をする場合は、医師や保健師などの専門家に相談してくださいね。
2.毎日60分の運動で心も体も元気になる
学校の体育や外遊びも含めて毎日60分以上の運動を目指し、生活習慣を整えましょう。
徳島文理大学の研究によると、運動前後で成長ホルモンの分泌に相関があることが明らかになっています。
成長ホルモンは運動強度(METs)が高い方が多く分泌される傾向があることがわかった。また,筋肉に対して刺激のある運動がより多くの成長ホルモンを分泌していた。
出典:運動強度(METs)と成長ホルモン分泌の関連について
またスポーツ庁が実施した調査によると、1日60分未満の運動しかしていない子どもには、体力の低下が見られたという結果に。
子どもの時期に運動量が少ない場合は、デメリットがあります。
- 成長を促進する成長ホルモンの分泌が少なくなる
- 体力の低下により、運動に対する興味関心がなくなる
1日60分以上の運動であればなんでも大丈夫なので、鬼ごっこや縄跳び、ボール投げなど子どもが好きな運動をさせてあげましょう。
バスケやバレーで身長が伸びる?
バスケットボールやバレーボールをすれば身長が伸びる、という噂を耳にしたことがあるかもしれませんが、それを根拠づける論文などは現状発表されておりません。活躍する選手に高身長の人が多いことから、その噂が生まれたとされています。
またストレッチで身長が伸びたという意見もありますが、骨盤ゆがみや猫背が改善され、身長が伸びたように感じるだけです。骨が成長して身長が伸びるわけではありません。
バスケやバレー、ストレッチなどを一生懸命におこなっても、かならず背が伸びるとは限らないので、気をつけましょう。
運動のしすぎは逆効果
運動は「息が弾んで少し汗ばむ程度」におこないましょう。毎日7キロ走るような過度な運動は、体にも悪影響を及ぼすと言われています。
約110万人の女性の運動量と健康状態を9年間調査したところ、以下の結果になりました。
4万9113人が心臓病を、1万7822人が脳血管疾患を発症した。
あるレベルまでは運動量が多くなるほど発症のリスクが低くなっていったが、ウォーキングやサイクリングなどの運動を「毎日欠かさず行う人」は、逆に心臓病や脳血管疾患のリスクが高くなってしまったという。
出典:ヘルスUP日経Gooday3
調査は成人女性を対象にしたものです。大人の方が心肺機能が発達していても上記のような結果がみられたことを考慮すると、子どもには適度な運動を心がけた方が良いでしょう。
以下のように親子で工夫しながら、成長期間にできる限りのサポートをしてあげることが大切です。
- 時間があれば子どもと一緒に遊んであげる
- 外で使える遊び道具を渡す
- テレビやゲームの時間を制限し、なるべく外で遊べる時間を増やす
3.睡眠不足は子どもの敵!自然な眠気を誘おう
東北大学でおこなわれた5〜18歳の子ども290人を対象にした研究では、睡眠不足が脳の発達に悪影響を及ぼすことが判明しています。
平日の睡眠時間と脳のMRI写真を比較すると、睡眠時間の短い子どもは脳の海馬(特に短期記憶に密接に関連する場所)が小さかった
出典:暮らしスタイル研究所
体調や日頃の運動量などで適切な睡眠時間が異なることを考えると、何時間寝れば大丈夫という基準はありませんが、成長ホルモンを分泌させるためにも、1日9時間程度の睡眠を確保したいところです。
・就学前児(2〜5歳):10〜13時間
出典:メディカルトリビューン
・就学時(6歳〜13歳):9〜11時間
・思春期(14歳〜17歳):8時間〜10時間
また就寝後2時間で成長ホルモンの分泌がピークに達することが明らかになっています。
出典:NATIONAL GEOGRAPHIC「健やかな睡眠のカギを握る「メジャースリープ」とは
自然な眠気を誘うように、以下のように環境を整えてあげると良いでしょう。
- 寝る時間になれば、部屋を暗くする
- 昼間の運動量を増やす
- 深い睡眠に入れるように快適なパジャマやベッドを用意する
- 夜食はうどんやヘルシーな野菜サラダなど消化の良いものに変える
4.足りない栄養はサプリメントで補給
身長を伸ばせると謳われたサプリメント(アルギニン)や食品。残念ながら、サプリメント自体に身長を伸ばす効果は期待できないとされています。
日本小児科学会の発表によると、成長ホルモンの分泌を促すアルギニン製剤(内服薬)を飲んでも、栄養素のすべてを吸収するわけでないため、成長ホルモンの分泌を促進するとは考えにくいとされています。
出典:日本小児科分泌学会公式ページ
しかし、カルシウムやビタミンなどが含まれているサプリメントは、食事で足りない栄養を補うのに最適です。
- 好き嫌いがあって特定の栄養素を摂取できない
- 食が細くて食事量が少なくなってしまう
- 毎日忙しくて満足させられる食事を提供できない
上記のように食事で栄養が偏ってしまう場合は、サプリメントを活用しても良いでしょう。
とはいえ、あくまで食事・運動・睡眠の改善を中心に、成長ホルモンの分泌を高めることが大切です。
サプリメントの過剰摂取で健康被害が起きることもあります。各製品に記載されている使用量を守りましょう。
万が一体調不良が起きた場合は、すぐに使用を中止し、医療機関や保健所に報告してください。
5.成長ホルモンの注射も一つの手段
頭痛やけいれんなどの副作用が生じるリスクもありますが、低身長に悩んでいる場合は、成長ホルモン注射も一つの手です。
子どもが持っている本来の力を引き出して、成長を促してくれます。実際に成長ホルモンで身長が伸びたという口コミもTwitter上で確認することができました。
成長ホルモンは小児科分泌科などで打つことができます。初心から治療開始までは以下のような流れです。
- 初診(問診、尿検査、血液検査など)
- 1回目の検査結果から総合判定
- 成長ホルモン分泌不全低身長症などの疑いがあれば精密検査
- 症状に合った治療を開始
あくまで食事・運動・睡眠の改善を基本として、お子さまや医師と相談しながら治療を受けましょう。
まとめ
このページでは小学生の身長を伸ばす方法について、食事や運動、生活の基礎知識などを解説しました。
最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。
- 身長は約2割の生活環境で決まる
- 子どもの成長に必要なものは成長ホルモン
- 食事・運動・睡眠の改善によって成長をサポートできる
- 成長を促進する特効薬はない
- サプリメントは栄養の補助目的で利用しよう
- 不安を感じる場合は小児科医に相談
これさえやれば良いという方法はありませんが、毎日の生活次第で子どもの成長は大きく変わります。
親の愛情を感じながら育った子どもはきっと、すくすくと育ってくれるでしょう。限られた成長期のなかで、親ができることを精一杯サポートしてあげてくださいね。
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