ビタミンCが豊富で美容や健康にいいと評判のアセロラ。
たくさん飲めば効果倍増と考えるかもしれません。しかし危険性や飲み過ぎの弊害は気になりますよね。
この記事では、アセロラやアセロラジュースの体への影響や安全性について解説。さらには飲み過ぎた場合のデメリットと同時に、栄養効果についても研究データをもとに深掘りしていきます。
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アセロラジュースは体に悪いし太る？栄養効果を研究論文を基に調査
アセロラジュースの健康への影響を研究論文をもとに調査してみました。大切なポイントは次の4つです。
- アセロラジュースに多く含まれる栄養素は「ビタミンC」
- 飲み過ぎは体に悪いかも！糖質・カロリー過多には要注意
- ビタミンCの過剰摂取は下痢や腹痛などを引き起こす
- 【結論】飲み過ぎに注意すれば体に悪くはなさそう
順に見ていきましょう。
アセロラジュースって何？多く含まれる栄養素は「ビタミンC」
アセロラジュースは、高さ3ｍの常緑低木植物（キントラノオ科ヒイラギトラノオ属）の果実をジュースに加工したものです。
原産国は、西インド諸島など気温の高い熱帯地方です。日本では沖縄県を中心に栽培されています。
果実は熟すにしたがって黄色から赤色、濃い紅色へと変化。見た目は、サクランボに似ています。腐敗しやすいので、生の果実はあまり流通していませんが、ジュースに加工されたものが広く知られています。
栄養素のなかで特筆すべきはビタミンＣです。ビタミンＣが豊富といわれるレモンの約34倍もの驚きの含有量です。
ビタミンCの含有量は野菜やフルーツのなかでもトップ級
アセロラには酸味種と甘味種の2種類があります。ふたつのうちビタミンCの含有量が多いのは酸味種です。
甘味種もほかの野菜や果物と比較すると十分な量のビタミンCを含みます。
参考のために、ビタミンCが豊富といわれる野菜や果物と比較してみましょう。
| 名称 | ビタミンC（mg/100g） |
|---|---|
| アセロラ（酸味種） | 1700 |
| アセロラ（甘味種） | 800 |
| アセロラジュース | 120 |
| レモン（果汁） | 50 |
| イチゴ | 62 |
| キウイフルーツ（黄） | 140 |
| キウイフルーツ（緑） | 69 |
| ブロッコリー | 120 |
| 赤ピーマン | 170 |
ビタミンCが少ないはずの甘味種でも、ほかの野菜や果物と比べると5～15倍ものビタミンCを含んでいるのがわかります。
ただしジュースに加工するとビタミンC量は激減。それでも、ほかのビタミンC豊富な野菜や果物と同じレベルですから、「トップ級」といえるでしょう。
飲み過ぎは体に悪いかも！糖質・カロリー過多には要注意
アセロラジュース100gあたりの炭水化物量は10.3gです。コップ1杯を200mlとすると、1杯飲むと約20gもの炭水化物を摂取することに！
カロリーは100gあたり43kcalなのでコップ1杯（200ml）だと約80kcalとなります。80kcalのエネルギー量の目安は次のとおりです。
- 茶碗軽く半杯
- ６枚切り食パン半枚
- 卵1個
- バナナ1本
- 牛乳1杯
ビタミンCが豊富だからといって飲み過ぎると、糖質とカロリー過多になりかねません。十分に注意しましょう。
生のアセロラとアセロラジュースは異なります
先ほども触れましたが、生のアセロラとアセロラジュースでは、ビタミンCの含有量に大きな差があります。代表的なアセロラジュースは果汁10％程度で、ビタミンC量は1/10以下になってしまうことを知っておきましょう。
| 名称 | ビタミンC（mg） | カロリー(kcal） | 炭水化物(g） |
|---|---|---|---|
| アセロラ（酸味種） | 1700 | 36 | 7.2 |
| アセロラ（甘味種） | 800 | 36 | 7.1 |
| アセロラジュース | 120 | 42 | 10.3 |
また、日本で販売されているアセロラジュースのほとんどは甘味料が加えられることが多いようです。
製造過程で「果糖ブドウ糖液糖」や「オリゴ糖」などの糖分が添加されているので、かならず原材料名欄をチェックしてから購入しましょう。
ビタミンCの過剰摂取は下痢や腹痛などを引き起こす
不要なビタミンCは体外へ排出されるので、ほとんどの場合重篤な副作用は生じないと考えられます。
ただし大量に摂取した場合、消化器官内で未吸収のビタミンCの浸透圧が原因となり、腹痛・下痢・吐き気などに見舞われることも。
アメリカ国立衛生研究所（National Institutes of Health、NIH）が示した各年齢の1日あたりのビタミンC上限摂取量は次の表のとおりです。
| 年齢 | 上限量 |
|---|---|
| 生後6ヶ月 | データなし |
| 幼児7‐12カ月 | データなし |
| 小児1‐3歳 | 400 |
| 小児4‐8歳 | 650 |
| 小児9‐13歳 | 1,200 |
| 14‐18歳 | 1,800 |
| 成人 | 2,000 |
| 10代の妊婦・授乳婦 | 1,800 |
| 成人の妊婦・授乳婦 | 2,000 |
アセロラジュースの場合、100mlあたりビタミンCを120㎎含むことから、毎日大量に飲まない限り大丈夫と考えられます。
ヘモクロマトーシスの患者は体組織が損傷する可能性がある
ヘモクロマトーシスとは、鉄の代謝異常による遺伝性疾患です。体内に鉄が蓄積され臓器に損傷を与えます。
ビタミンCを大量に摂取すると、鉄の吸収が高まり病気の進行を速めてしまう恐れも。また、赤血球膜の遺伝性疾患であるG6PD欠損症の場合も、高用量のビタミンCにより溶血を起こします。
ただし注意すべきは、食品からのビタミンC摂取よりもサプリメントによる大量摂取です。アセロラジュースで毎日許容量以上のビタミンCを摂取し続けるのは、難しいでしょう。
【結論】飲み過ぎに注意すれば体に悪くはなさそう
結論としては、飲み過ぎに注意すれば適度にビタミンCを摂取できて身体に悪くなさそうです。
参考のため1日当たりの平均ビタミンC摂取目安をご紹介します。
| ライフステージ | 摂取推奨量（mg/1日） |
|---|---|
| 生後6カ月 | 40 |
| 生後7-12カ月 | 50 |
| 1-3歳 | 15 |
| 4-8歳 | 25 |
| 9-13歳 | 45 |
| 14-18歳（男） | 75 |
| 14-18歳（女） | 65 |
| 成人（男性） | 90 |
| 成人（女性） | 75 |
| 10代の妊婦 | 80 |
| 妊婦 | 85 |
| 10代の授乳婦 | 115 |
| 授乳婦 | 120 |
アセロラジュースを飲めば、簡単に1日摂取推奨量を満たせそうです。
1日の適切量はコップ1杯がおすすめ
アセロラジュース100mlあたりのビタミンCの量は120㎎（食品成分データベース参照）ですから、軽くコップ1杯でも1日に推奨されるビタミンCを簡単に摂取できることがわかります。
このことから1日のアセロラジュースの適切量は、コップ1杯程度と考えましょう。
果汁100%はビタミンCの過剰摂取になりやすいので注意しよう
通常スーパーなどで販売しているアセロラジュースは果汁10％程度です。
一方、沖縄で栽培して生ジュースにしたものも通販などで手に入ります。ある生ジュースの成分を調べてみたところ、100gあたりのビタミンC量は580㎎でした。
成人男性の1日摂取推奨量が90㎎であることから、少量で十分なのがわかります。くれぐれも過剰摂取には注意しましょう。
アセロラジュースが体に悪いは嘘！？研究情報まとめ
アセロラジュースへの理解を深めるため、研究情報をもとに次の4つのポイントについて深掘りしていきます。
①アセロラに含まれるエキス・リコピンが皮膚の老化を抑えた
②酸化ストレスに対して保護作用があった
③体の自然な免疫機能を高めた
順に見ていきましょう。
①アセロラに含まれるエキス・リコピンが皮膚の老化を抑えた
35歳から60歳までの50人の女性にアセロラ抽出物に含まれるリコピンを摂取してもらい、光老化との関係を120日間調べた実験があります。
その結果、次のような肌状態改善結果が見られました。
- 肌の水分量アップ
- pH低下
- 超音波密度の増加
- コラーゲンと弾性繊維の増加
- 脂漏の減少
リコピンには高い抗酸化作用があり、メラニンの生成を抑える効果があります。アセロラに含まれるリコピン量は多くはありませんが、調査結果は非常に興味深いですね。
②酸化ストレスに対して保護作用があった
アセロラ果実が高い抗酸化作用をもつことがわかっていますが、フリーラジカル（酸化物質）を阻害し、酸化ストレスからDNAを保護する高い抗毒性作用があることもわかりました。
とくにその効果が高いのは、未成熟な果実です。赤い果実よりも未熟な緑の果実のほうが、よりビタミンC量が多く、高い抗酸化効果があるとは驚きです。
③体の自然な免疫機能を高めた
同じ被験者にビタミンCを1日1g、15日間投与して、30分運動したあとの酸化ストレス度を計測しました。すると、ビタミンCを摂取したときのほうが、しなかったときと比べて酸化ストレスが軽減され、体の自然な免疫機能を高めたことがわかりました。
参照：Exercise-Induced Oxidative Stress before and after Vitamin C Supplementation
ビタミンCにはコラーゲン合成、骨形成、炎症性サイトカイン産生抑制などの効果があります。ただし水溶性であるビタミンCは、利用されなかった場合は短時間で排出されるため、運動前後や朝昼晩などこまめに摂取するのをおすすめします。
アセロラジュースは体に悪い？に関するQ&A
アセロラジュースに関する、よくある質問についてまとめてみました。
Q.アセロラジュースが売っている場所は？
Q.アセロラの原産国は？
Q.飲むタイミングはいつがいい？
気になる項目をチェックしてみましょう。
Q.アセロラジュースが売っている場所は？
一番手に入りやすいのは、アセロラを主原料とした清涼飲料水。スーパーやコンビニなどで手軽に購入できるはずです。お近くの店舗で見つからない場合は、Amazonや楽天などでも注文できます。
また100％アセロラ果汁のアセロラジュースも通販で手に入ります。
まずは清涼飲料水がほしいのか、100％アセロラ果汁のものがほしいのかを決めてから探すようにしましょう。
Q.アセロラの原産国は？
アセロラの原産地は、南北アメリカの間に位置するカリブ海の西インド諸島です。熱い地域で育つ熱帯果樹ですが、沖縄県に1958年に導入され、それ以来栽培され続けています。
ちなみに、日本で一番有名なアセロラジュースである『ニチレイ アセロラドリンク』の食品表示欄を見てみると、「最終加工地：日本(主原産地は異なる場合がございます。)」と記載されていました。
ホームページでは「提携農家で苗から生産・管理しています」とあり、提携先の農家がある国は明確に表示されていません。
一方、果汁100％のジュースの場合は、産地が沖縄の場合が多いようです。ただし商品価格は大幅に高くなるので、ご自身のニーズに合わせて購入を決めましょう。
Q.飲むタイミングはいつがいい？
ビタミンCがメイン成分であるアセロラジュースですから、ビタミンCを効率的に摂取できるタイミングに飲むとよいでしょう。
水溶性であるビタミンCは長い時間体内にとどまらないので、毎食後などこまめに飲むのがおすすめです。就寝中も吸収が良くなるので、朝食後・昼食後・夕食後・寝る前の4回がおすすめの飲むタイミングです。
ただし糖分を含むので、飲み過ぎに注意すること、虫歯にならないよう歯磨きを徹底することも忘れないでおきましょう。
まとめ
このページでは、アセロラジュースの栄養効果や飲み過ぎのデメリットについてまとめました。
最後に重要な点をおさらいしておきましょう。
- アセロラジュースに多く含まれる栄養素は「ビタミンC」
- 糖質・カロリー過多には要注意
- ビタミンCの過剰摂取は下痢や腹痛などを引き起こす
- 飲み過ぎに注意すれば体に悪くはなさそう
- アセロラに含まれるエキス・リコピンが皮膚の老化を抑えた
- 酸化ストレスに対して保護作用があった
- 体の自然な免疫機能を高めた
ビタミンCが主成分のアセロラは、抗酸化作用があるスーパーフードです。健康にはプラスの効果が期待できますが、商品選びは重要です。
アセロラジュースに含まれるビタミンC量をチェックして、適量を摂るようにしましょう。
