子どもの健やかな成長は、すべての保護者に共通する願いですよね。
「成長に必要な栄養ってどのくらい?」
「偏食だけど大丈夫かな?」
「バランスの良い食事内容って?」
子どもの食事内容について明確な指標がわからず、このような不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、成長期の子どもに必要な栄養や食の基礎について解説します。
献立を作る際のポイントや困ったときの対処法についても詳しくご紹介するので、参考にしてください。
子どもの成長に必要な栄養について|知っておきたい食の基礎知識
成長期の子どもには多くの栄養が必要です。
そのために知っておきたい食の基礎知識は次のとおり。
- 成長期にはバランスのとれた食事が大切
- おやつは第4の食事
- 健康保持に必要な栄養量の目安
- 運動や睡眠の重要性
それでは順に見ていきましょう。
成長期にはバランスの取れた食事が大切
人生において身長が大きく伸びる時期は2回あります。それが生後1年間と思春期です。
思春期は第二次性徴期とも呼ばれ、個人差はありますが、小学校高学年から中学校にかけて訪れます。
この時期の身長の伸びは大きく、1年間で男の子は約10㎝、女の子は約8㎝も伸びるといわれています。
またこの時期は「成長スパート」とも呼ばれ、成長を促すような食事内容や過ごし方が重要です。
とくに子どもの成長や健康のために、次の5つの栄養素が欠かせません。
- 炭水化物
- 脂質
- たんぱく質
- ビタミン
- ミネラル
毎日の献立は、以上の5大栄養素をバランスよく取り入れた食事を意識しましょう。
高校生でもバランスのよい食事が理想
身長の伸びは、高校生になると緩やかになり18歳でほぼストップします。
急激に身長が伸びるようなことはなくなりますが、まだまだ成長期の途中。丈夫な体になるよう、栄養バランスの取れた食事を引き続き意識していきましょう。
見た目を気にし始める時期でもありますが、スリムな体形になろうとして極端な食事制限をするのはおすすめしません。
食事量を必要以上に減らすと、健康を損ねてしまう可能性もあるので、注意深く見守りましょう。
おやつは第4の食事!足りない栄養を補おう
おやつは、楽しみの意味合いも大きいですが、それ以上に3度の食事で賄えない栄養を補う第4の食事と考えましょう。
学校や習い事で忙しい現代の子どもは、おやつ(補食)でも成長に必要な栄養素を摂りたいものです。
とくに少食や偏食の子どもであればなおさらおやつの重要さが増しますね。
成長に欠かせない栄養素を意識して、おやつ(補食)を選んでみましょう。
おすすめのおやつの一例は次のとおりです。
栄養素 | 働き | おすすめのおやつ |
---|---|---|
カルシウム | 骨を丈夫にする 骨を成長させる | 牛乳、ヨーグルト チーズ、小魚 |
鉄分 | 血液や筋肉を作る 全身に血液を運ぶ | ゆで卵、ナッツ類 菜飯のおにぎり ブラックチョコレート ドライフルーツ |
ビタミンC | コラーゲンを作る 鉄分の吸収を高める 抵抗力を高める | オレンジ キウイ イチゴなどの果物 |
食物繊維 | 便秘を予防する 血糖値の上昇を抑える | 干し芋、焼き芋 寒天ゼリー ドライフルーツ |
甘いお菓子を好む子どもは多くいますが、できるだけカロリー以外の栄養素もあるものを選ぶようにしましょう。
健康維持に必要な栄養素量はこれくらい
健康維持に必要な栄養バランスは、農林水産省が提唱している食事バランスガイドを参考にしましょう。
「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」の5つのグループをまんべんなく、コマの形になるように食べるとバランスの良い食事となります。
主食をメインにしながら、しっかり食べてバランスを保つのがコツです。
表の数字は、食事量の目安をあらわす単位です。主食は5~7となっていますが、下の表で主食の欄を見ると、おにぎり1個が1となっています。
一日の食事量が5~7になるように食べるには、おにぎりであれば5~7個が必要ということです。
スポーツをしている子どもはさらに多くのエネルギーが必要
部活動などスポーツをしている子どもは、健康の維持や成長のためのエネルギー以外にも、活動のためのエネルギーが必要です。
1日の必要栄養量(日本人の食事摂取基準2020年版)によれば、スポーツをしている子どもは、1日約3,000kcalものエネルギーが必要なことがわかります。
男子 | 女子 | |||
---|---|---|---|---|
オフ期 | トレーニング期 | オフ期 | トレーニング期 | |
12~14歳 | 2,600kcal | 2,900kcal | 2,400kcal | 2,700kcal |
15~17歳 | 2,800kcal | 3,150kcal | 2,300kcal | 2,550kcal |
エネルギー量はもちろんですが、ほかの栄養素も重要です。
管理栄養士を対象とした日本安全食料料理協会の調査結果(2021年9月14日)では「スポーツをしている現代の子どもは必要な栄養素が不足しがちだ」と考える管理栄養士が9割以上だと判明しました。
この調査によると、主に「たんぱく質」「ビタミン」「カルシウム」が不足しがちと考えられているようです。
とくに大きく身長が伸びる小学校高学年から中学校にかけてはカルシウムを、筋肉量が増える高校生はタンパク質を意識して摂るようにしましょう。
不足も摂りすぎにも注意
栄養が不足するのも心配ですが、摂り過ぎにも注意する必要があります。
栄養の摂り過ぎは肥満を招き、疾患にも繋がりかねません。
さらに最近では、摂取カロリーは十分足りているのに「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」が不足しがちであることも問題となっています。
この3つの栄養素が不足すると新型栄養失調になる可能性も十分にあり得るのです。
新型栄養失調とは、カロリーは足りているのに、ビタミン・ミネラル・食物繊維が不足している状態のことを指します。
偏食などが主な原因で、疲れやすい・風邪をひきやすい・肩がこるなどの体調不良を引き起こすので注意が必要です。
子どもの身体の成長には適度な運動や十分な睡眠も欠かせない
子どもの身体の成長には、栄養バランスが整った食事以外にも、適度な運動や十分な睡眠が欠かせません。
昼間に思い切り身体を動かせば食欲が高まります。さらに適度な運動による疲労が、深くて良質な睡眠をもたらすでしょう。
夜にきちんと睡眠をとることは、疲れを回復させる以上に大きな意味を持っています。
そのひとつが成長ホルモンです。
身体の成長を促す成長ホルモンは、夜中の1時前後と入眠後1.5~2時間に活発に分泌されます。
成長ホルモンは、骨や筋肉の細胞分裂を盛んにさせるので、分泌が活発になる夜22時までには就寝しておきたいものです。
昼間はしっかりと運動をし、夜は早めに就寝してしっかり寝るといった生活ができるようサポートしてあげてください。
子どもの成長に!栄養バランスのよい献立を作る3つのポイント
子どもの健やかな成長のために、栄養のバランスが取れた食事を用意してあげたいですよね。
そのためのポイントをご紹介します。
- 主食・主菜・副菜は基本的に1品ずつ用意する
- 同じような調理方法を使わない
- 主材料はかぶらないようにする
- 外食では複数のメニューが組み合わさったものを選ぶ
この4つのポイントに気をつけて献立を考えれば、バランスの良い食事作りが比較的簡単にできるはずです。
参考にしてみてください。
①主食・主菜・副菜は基本的に1品ずつ用意する
毎日違う献立を考え、しかも栄養バランスの取れた食事内容にするなんて大変ですよね。そのため献立作りは、できるだけシンプルに考える必要があります。
それは、主食・主菜・副菜を1品ずつ用意することです。
主食:ご飯や麺類(炭水化物)
主菜:肉や魚(タンパク質)
副菜:野菜(ビタミン・ミネラル)
このように主食・主菜・副菜を1品ずつ用意するだけで、エネルギー源としての主食、体を作るタンパク質源としての主菜、体の調子を整えるビタミンやミネラル源としての副菜といったバランスの良いメニューになります。
さらに和食中心のメニューにすれば、より健康的な献立になるでしょう。
また「汁物」を加えれば、主菜と副菜の栄養を補えます。余力があるときでいいので、汁物もメニューに加えてみましょう。
②同じような調理方法を使わない
次に献立内容が単調にならないための工夫は、同じような調理方法にしないことです。
魚のソテーに野菜炒め、煮魚に里芋の煮物など同じ調理方法だと、味も似通ってしまいます。
できるだけ主菜と副菜を違う調理方法にするよう意識して献立を立てましょう。
調理方法としては次のようなものがあります。
- 焼く
- 炒める
- 揚げる
- 煮る
- 蒸す
- 茹でる
主菜が揚げ物であればサッとゆでた野菜を和え物にしたり、煮魚には野菜炒めを添えたりなど違う調理方法を意識すれば、献立の内容に変化が生まれ、飽きずに食べられるでしょう。
③主材料はかぶらないようにする
野菜には旬があり、できるだけ旬のものを献立に取り入れたいものです。だからといって同じ食材ばかり使用しないようにしましょう、例えば…
主菜:肉じゃが
副菜:ポテトサラダ
主菜:ロールキャベツ
副菜:コールスロー
このように同じ材料でメニューを立ててしまうと、栄養のバランスも偏ってしまいます。
より多くの食材を使用して栄養のバランスを取るようにしましょう。
外食では複数のメニューが組み合わさったものを選ぼう
いつも手作りで完ぺきに食事が用意できれば理想的ですが、たまには外食する機会もありますよね。その際は、複数のメニューが組み合わさったものを選ぶようにしましょう。
そのほかにも次のようなポイントに注意して選ぶのがおすすめです。
- 一品ものより定食を選ぶ
- 主食ばかりにしない
- 揚げるより焼く・煮る・蒸すメニューを選ぶ
- 野菜の多いメニューを選ぶ
メニューを選ぶ際、定食であれば主食・主菜・副菜・汁物といったように、普段の食事と変わらない栄養バランスの食事ができます。
そして主食ばかりの食事にも注意が必要です。ラーメンとライスや、焼きそばとパンなど主食中心のメニューにならないように気をつけましょう。
コンビニで購入する場合も、主食・主菜・副菜を意識して選ぶとバランスが取れます。例えば、おにぎりだけでなく、サラダチキンや野菜の総菜、インスタント味噌汁(スープ)なども合わせて購入するとバランスがとれるでしょう。
【症状別・目的別】子どもが摂るべき栄養と食事
元気なときは食欲旺盛な子も、調子が悪いときは食欲も落ちてしまいますよね。そこで症状別に食事の注意ポイントをご紹介します。
- 熱があるときは水分補給を大切に
- 下痢のときは消化の良いものを少しずつ
- 食欲がないときは少量でも栄養価の高いものを
- 少食のときは間食を増やして食事回数を増やす
- 疲れているときは鉄の多い食品もおすすめ
「こんな症状のときの食事はどうする?」がわかるので、ぜひ参考にしてください。
熱があるときは水分補給を大切に
熱があるときは、汗をたくさんかきます。脱水症状をおこさないよう水分補給を心がけましょう。
また発熱すると多くのエネルギーが消費されます。そこでエネルギーとタンパク質の多いメニューがおすすめです。
消化が良くエネルギーとタンパク質が摂れる食事例は次のとおりです。
- 卵雑炊
- 茶碗蒸し
- ポタージュスープ
- 煮込みうどん
- 湯豆腐
- ヨーグルト
- リンゴ果汁
エネルギーが豊富でも、お菓子や唐揚げなど消化の悪いものは避けましょう。
下痢のときは消化に良いものを少しずつ
下痢のときも脱水症状を起こしやすいので水分補給をしっかりとします。
ジュースや大人用のイオン飲料は下痢を長引かせる可能性もあるので控えめにし、水や麦茶を中心に飲ませましょう。
また主治医から絶食などの指示がなければ、少しずつ食べたほうが早く回復します。その際には、野菜スープなど消化の良いものがおすすめです。
次のような食材も下痢の症状があるときに負担なく食べられます。
- おかゆ
- うどん
- りんご
- にんじん
- 大根
- かぶ
- じゃがいも
- 豆腐
食材は、できるだけ腸を刺激しない食材を選ぶようにします。
普段は便通がよくなるのでおすすめの食物繊維は、下痢のときは腸を刺激するので避けたほうが良いでしょう。
当然のことながら、お菓子や脂っこいものは避けたほうが良さそうです。そのほかにも牛乳、ヨーグルトや高脂肪のアイスクリームなども控えるようにしましょう。
一方で嘔吐の場合、酸味のあるジュースなどは、かえって吐き気を催すので逆効果な場合があります。麦茶や水を中心に少量ずつ飲むようにしましょう。
食欲がないときは少量でも栄養価の高いものを
食欲がないときは、なんらかの病気の前兆の可能性があります。無理に食べさせず、休養を優先しましょう。
量が食べられない場合は、小量でもいいので栄養価の高いものを選びます。
例えば山芋や牛乳は栄養価が高く、胃腸の働きを活発にするビタミンB群が豊富です。またバナナは脳や体のエネルギー源になる糖質が多いので朝食やおやつに適しています。
しっかり休養し、体調が回復すれば食欲ももとに戻るはずです。規則正しい睡眠と生活リズムを整えることで元気を取り戻すようサポートしましょう。
小食の場合は間食を増やして食事回数を増やす
食事量は、子どもによって個人差が大きいものです。食が細い子は、一度に食べられる量が限られています。
そこで間食も食事のひとつと考え、こまめに栄養を摂るようにしましょう。
また少食の子には、調理や盛り付けの工夫も効果的です。
- 盛り付けは少量にする
- 苦手なものはみじん切りにする
- 香りで食欲を増す
盛り付けを少なめにすれば、食べきれた満足感を得られ、食べることへのやる気につながります。子どもが食べきれる量を盛り付けるようにしましょう。
また苦手なものは、みじん切りにして料理に混ぜ込むのがおすすめです。
ハンバーグやチャーハン、オムレツなどの中に入れて食べやすくしましょう。例えばシイタケが苦手だとしても、ほかの野菜と一緒にみじん切りにして調理すれば気にならない場合が多いですよ。
最後に香りで食欲をアップさせる方法です。青のりやゴマ、カレー粉など食欲を増すような食材や香辛料を上手に利用してみましょう。
疲れているときは鉄の多い食品もおすすめ
鉄分が不足すると、さまざまな症状が現れます。疲れやすいなどの症状も鉄分不足が原因の場合もあり、注意が必要です。
食べ物に含まれる鉄分には、吸収率が高い「ヘム鉄」と吸収率が低い「非ヘム鉄」の2種類があります。
ヘム鉄は肉や魚などの動物性食品に多く含まれ、タンパク質と結合しています。吸収が早いので、疲れているときは動物性タンパク質の食品を積極的に献立に取り入れましょう。
一方、非ヘム鉄は吸収され体内を循環するまでに時間がかかります。小松菜やほうれん草など植物性の食品に多く含まれており、タンパク質やビタミンCと一緒に食べると吸収率が高まります。
植物性の食品は、普段からマメに摂れるよう献立に積極的に取り入れるようにしておきましょう。
まとめ
このページでは、子どもの成長に必要な栄養について解説しました。
最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。
- 成長期には5つの栄養素をバランス良く摂ろう
- スポーツをしている子どもはエネルギーを多めに摂ろう
- 間食も栄養を補うようために利用しよう
- 健全な成長のためには睡眠と運動が必要
- 献立は主食・主菜・副菜を1品ずつにしよう
- 病気のときの食事に気をつけよう
子どもの成長のためには、栄養のバランスを考えた献立作りが重要です。
とくにスポーツをしている子どもはエネルギーを多めに摂取しましょう。
食事作りは毎日のことなので大変ですが、お惣菜や補助食品なども活用しながら、できることから始めてみましょう。
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