亜鉛サプリは中学生が飲んでも大丈夫?推奨摂取量や使用時の注意点を解説

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周りの子供に比べて身長が低い…。

果たして中学生でも亜鉛のサプリメントを飲んでも大丈夫なのでしょうか?

結論から言うと、食事で足りない分の補給としてなら亜鉛サプリを服用しても全く問題はありません

ただし、推奨摂取量を守らないと嘔吐やめまいなどの症状が出ることも…。

そこでこの記事では成長期の子供と亜鉛の関係性や推奨摂取量、適切な亜鉛サプリメントの選び方を、論文や公的な資料をもとに解説します。

目次
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亜鉛サプリは中学生が飲んでも大丈夫!ただし副作用には注意

亜鉛サプリを使用する際は、「亜鉛」という栄養素について深く理解しておくことがおすすめです。

  • 亜鉛が不足すると成長障害が起こるリスクが高まる
  • 吸収を阻害する食品もある
  • 普段の食事のみでは亜鉛が不足しがち
  • 中学生が亜鉛サプリを飲んでも健康に問題は生じない
  • 過剰摂取は健康被害につながる可能性あり
  • 子供向けのサプリメントがおすすめ


「なぜ成長期の子供に亜鉛が重要なのか?」から、順々に解説していきます。

成長期に亜鉛は重要な栄養素

亜鉛は骨の成長に必要な栄養素のひとつで、不足するとたんぱく質やDNAの合成がうまく行われなくなり成長障害が起こる可能性が高まります。

実際にタイで140人を対象とした実験では、亜鉛サプリメントを飲ませたグループとそうでないグループでは、身長の伸びに半年で1cmの差が出た、という結果が報告されています。

実験対象が「亜鉛欠乏状態のタイの子どもたち」ではあるものの、「ランダム化比較試験」という信頼性の高い手法で行われた実験であり、亜鉛と身長は相関があると言えそうですね。

  • 偽薬(プラセボ)を摂取した子ども:平均+4.7cm
  • 亜鉛サプリメントを摂取した子ども:平均+5.6cm

参考文献:Zinc supplementation enhances linear growth in school-aged children: A randomized controlled trial

亜鉛は、牡蠣やレバー、牛赤身肉など、食卓に頻出しない食材に豊富に含まれているため、不足になりがちな栄養素。

日本人の子どもでも、亜鉛が不足している場合はサプリからの摂取で身長アップのサポートになる可能性は十分にありそうです。

亜鉛不足には要注意

亜鉛が不足してしまうと亜鉛欠乏状態となり、味覚や嗅覚に影響が出たり、かぶれやすくなるなどの皮膚炎、脱毛、貧血などの症状が出ることがあります。

思春期のお子様のイライラも、実はミネラルである鉄、亜鉛、マグネシウムの不足が一因であるケースもあるので、亜鉛は成長期の子供にとって必須の栄養素と言えそうですね。

食事だけで推奨摂取量を確保するのはなかなか大変

亜鉛が多く含まれる食材には以下のようなものがあります。

  • 牡蠣
  • 豚レバー
  • 牛肩赤身肉
  • 高野豆腐
  • 牛レバー
  • アーモンド
  • ホタテ貝
  • ピーナッツ
  • 納豆

亜鉛の推奨摂取量は男女別で以下のようになっていますが、これを満たすのが意外と難しいです。

<男性> 12歳~14歳:10mg/日 15歳~17歳:12mg/日

<女性> 12歳~14歳:10mg/日 15歳~17歳:12mg/日

例えば牛肉や卵、カシューナッツなどは70gあたりに含まれる亜鉛の含有量は約4mg、かなりの量を食べなくては亜鉛の一日当たりの推奨摂取量を満たせません。

亜鉛を多く含む食材のひとつ、生の牡蠣には1個(15g)あたり、成長期の中学生の1日分の推奨摂取量を満たす量の約14mgが含まれています

毎日牡蠣1個を食べることで、一日あたりの亜鉛摂取量の目安を満たすことは可能ですが、コスト的にも食事のバリエーション的にも、現実的ではないでしょう。

かたくちいわし(田作り)では一食分(20g)で約7.9mgの亜鉛を摂取できますが、2回摂る必要があり、こちらも現実的とは言い難いですね。

亜鉛の吸収を抑える成分には注意
以下のような食品は亜鉛の吸収を妨げます。

  • 豆類や小麦
  • コーヒー
  • オレンジジュース
  • 加工食品
  • レトルト食品
  • インスタント食品

亜鉛を意識した食事を提供できても、食べ合わせによっては努力が水の泡になってしまうので十分に気をつけましょう。

不足分はサプリで補完するのも一つの手

中学生の子供の栄養補給にサプリメントを使うことに、抵抗を感じる必要はありません。

サプリメントなら成分表示を確認する必要はあるものの、アレルギーを避けて必要な栄養素だけを適切な量だけ補給できるからです。

普段の食事で不足した分の亜鉛はサプリメントで補うのも一つの手です。

  1. 不足しているとおもわれる栄養素のみを適切な量だけ補給できる
  2. 家族のうち「たったひとり」に向けた栄養サポートが可能
  3. 献立に悩まずに済む
  4. いつでも辞められて、食事だけの栄養補給に戻せる
  5. 適切な選び方を知ることで、粗悪な商品を避けられる

不足している栄養は日々の食事メニューなどからある程度推測できますが、サプリを使う場合、過剰接種で副作用が出る成分もあるため、慎重に行いましょう。

正確に栄養状態を知るためには採血も一つの手です。数字で管理できれば、過不足なくサプリを摂取でき、より効率的な身長アップが期待できるはずです。

添加物や含有量不足といった粗悪な商品を避け、メリットを享受しましょう。

マルチビタミンとの併用も効果あり?

さらに亜鉛に加えてマルチビタミン(ビタミンDを含む)を併用した実験でも、半年で約1.3cmの差がでました。

  • 亜鉛/マルチビタミンを内服した子ども:+4.9cm
  • 内服していない子ども:+3.6cm

参考文献:Effect of zinc plus multivitamin supplementation on growth in school children

野菜や果物不足と感じるご家庭では、マルチビタミンのサプリを子どもに摂取させることで成長促進につながる可能性がありそうですね。

亜鉛サプリの選び方

亜鉛サプリの選ぶ際のコツをかんたんに箇条書きでまとめてみました。

  • 水なしで飲めるか(噛んで食べられるタイプがおすすめ)
  • 子どもが好きな味か(毎日続けられるかどうかは子供が気に入るか次第)
  • 生活圏内で「ついでに」購入できるか(買うハードルが高いと続かないため)
  • 通販でも購入できるか(選択肢が広がる)
  • 子供用に作られた製品か(過剰摂取のリスクを下げられる)
  • 「栄養機能食品」か
  • 続けられる価格帯か

これらの中で特に重要なのが、子供向けの亜鉛サプリを選ぶこと。

大人向けのサプリは一粒あたりの亜鉛含有量が中学生の推奨摂取量を超えているものが多く、過剰摂取のリスクがあるからです。

一方で子供向けに作られたサプリメントは基本的に上限を超えないように抑えられているので、量を調整したりする手間もなく安心して摂取できますよ。

過剰摂取による副作用には注意

亜鉛自体の毒性は極めて低いため、食事からの摂取で中毒になることは考えにくいですが、サプリを利用する場合は注意が必要。

厚生労働省運営の情報サイトによると過剰摂取(1日2g以上が目安)をした場合、激しい副作用が見受けられるとのことです。

過剰摂取した場合、吐き気、嘔吐、食欲不振、胃痙攣、下痢および頭痛などの徴候がみられます。

*出典:厚生労働省、「統合医療」情報発信サイト

以下の安全な上限値を守った上で、適量をサプリから摂取できるようにしましょう。

  • 生後6カ月:4 mg
  • 生後7-12カ月:5 mg
  • 1-3歳:7 mg
  • 4-8歳:12 mg
  • 9-13歳:23 mg
  • 14-18歳:34 mg

子供むけに作られたサプリを飲む場合はそこまで心配する必要はないですが、仮に大人むけのサプリを服用する場合は特に気をつける必要があります。

不足が心配だからと「摂取目安量の倍量を飲む」といったことはしないでくださいね。

医師の指導のもと飲むのがおすすめ

亜鉛が十分に摂取できている状態でサプリメントをお子さんに与えてしまうと、それだけで過剰摂取となり危険です。

一番安全なのは、やはり採血した上で医師の指導のもと適量を摂取すること。

サプリメント摂取を開始したのちも、定期的に医療機関で採血をするなど、正しくフォローアップしていきましょう。

まとめ

最後にこの記事の重要なポイントを、確認しておきましょう。

  • 亜鉛が不足すると成長障害のリスクが高まる
  • 亜鉛の吸収率を高める栄養素は動物性たんぱく質
  • 亜鉛の吸収を阻害する食品は小麦や豆類、コーヒー
  • 普段の食事のみでは亜鉛が不足しがち
  • 成長期の中学生は亜鉛のサプリメントを飲んでも健康に問題は生じない
  • 子供には子供向けサプリメントを選ぶ
  • 栄養機能食品と明記されたサプリメントを選ぶ

成長を促し、新陳代謝もよくするなど、中学生のお子さんにとって欠かせないミネラルである亜鉛。


身長が伸び悩んでいる場合や元気がない、爪が割れやすい、髪の毛にツヤがない、などの諸症状も実は亜鉛欠乏状態からきているかもしれません。

日常の食事から亜鉛が多く含まれる食材を使い、不足している分は亜鉛サプリをうまく使って、中学生のお子様の成長を補助していきましょう。

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この記事を書いた人

子供を健康に育てたい全てのママに向けて、栄養や食育、幼児教育などの情報を発信する「mamahealth(ママヘルス)」編集部です。

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