「スポーツを頑張れるようにサポートしてあげたい」
その場合、どのような食事を摂るべきなのでしょうか?
大切なことは、さまざまな食材から偏りなく栄養を摂取すること。
時と場合に応じた食事を提供し、効率的に身体作りができるようにサポートしてあげましょう。
そこでこの記事では、スポーツを頑張る子どもに最適な食事メニューについてご紹介します。
スポーツを頑張る子どもの「食事メニュー」を知ろう
まず、運動量の多い子どもが食事で意識したいポイントは以下の3つです。
- 普段の食事量を多くする
- 栄養バランスを重視する
- 運動前後で適切な食事をする
上記の点について、くわしく見てみましょう。
運動量が多い子どもは食べる量を増やそう
スポーツの種類にかかわらず、運動量が多い子どもは、意識して食べる量を増やしましょう。
量を増やす理由は、下記の画像のように「発育・発達のため」「生きるため」に必要なエネルギーに加え、運動で使うエネルギーが必要になるからです。
運動の有無に関わらず、「発育・発達のため」「生きるため」のエネルギーが不足すると、成長を阻害する可能性があるので注意しましょう。
ただし、子どもの胃は大人よりも小さく、消化吸収能力も低めです。運動で必要なエネルギーを食事で摂取することは必要ですが、無理のない程度にしましょう。
補食で栄養を取り入れよう
同じ年齢や体型の子どもでも、小食や偏食が原因で、1度に摂取できる食事量が異なる場合もありますよね。
そんなときは、1日の食事をもとにして、足りない分はおにぎりやパンなどの消化の良い補食(間食)を取り入れましょう。
どのタイミングで補食を取り入れるかは自由です。スポーツをする時間やその前後の食事の時間に応じて、食間(朝食と昼食の間、昼食と夕ご飯の間など)を目安に取り入れると良いかもしれませんね。
必要なエネルギー量(食事量)の計算方法
子どもに必要なエネルギー量は「①基礎代謝量×②身体活動レベル」で計算できます。
- 基礎代謝量=基礎代謝基準値×体重
- 身体活動レベル=Ⅰ〜Ⅲ(スポーツをしている子どもはⅢ)
例えば参照体重の場合、10歳の子どもに必要なエネルギー量は1330×1.85(※)=2560.5kcal/日(=成人男性のエネルギー量とほぼ同じ)となります。
栄養バランスを考えながら、算出したカロリーを基準に、食事量を調節すると良いでしょう。
※計算が複雑なので、日本医師会のサイトにある自動計算機をご利用ください。
トップアスリートは食にこだわる
メジャーリーグで活躍したイチロー選手は、年単位でずっと同じ物を食べ続けています。理由は、同じ物を食べ続けることが、野球に影響しかねない不確定要素を取り除くからだそうです。
極端な例ではあるものの、トップアスリートは練習と同様に食事にも力を入れています。
上記のように規則正しい食生活を意識している子どもは、今後も活躍できる可能性が高いでしょう。
成長期の早い段階から栄養の知識を身につけ、食の大切を伝えておきたいですね。
「栄養バランスが大事なワケ」1つでも欠けると…
バランスの良い食事が大事と言われる理由は、さまざまな食材の栄養素が密接に関係しているためです。
以下の図のように、栄養バランスが良ければ栄養効果を高められますが、1つでも足りない栄養があれば、栄養効果が十分にはっきできません。
つまり、特定の桶の板(栄養素)を高くするのではなく、すべての板を高くする(まんべんなく栄養を摂る)ことが重要というわけですね。
なかでも成長期の子どもに必要な栄養素には、以下の5つがあります。
- 炭水化物や脂質:身体を動かす
- たんぱく質:身体を作る
- ビタミンやミネラル:身体の調子を整える
それぞれの役割が異なるため、これら5大栄養素をバランスよく取り入れた食事を心がけましょう。
子どもの健康や成長をサポートするためにも、理にかなった食事の方法は知っておきたいところです。
特別な食事は必要ない
2008年にIOC(国際オリンピック委員会)がジュニア選手に対して出した声明でも、バランスの良い食事が大事だと言っています。
さまざまな食品を組み合わせたバランスのよい食事による継続的な栄養は、成長期のエリート選手がトレーニングを積み、競技をおこなう上で重要であり、さらに生涯を通じた健康につながる
引用元:IOC Consensus Statement on Training the Elite Child Athlete(2008)
また特別な料理や食材を使わずに、普段の生活で手に入れられるもので栄養を補えるとのこと。
食事は生涯を通じて必要なものなので、子どもに栄養の大切さを教えながら、サポートしてあげたいですね。
十分な食事が摂取できていない場合の弊害
2007年の臨床栄養学雑誌によると、朝食を欠食すれば体温、疲労感、集中力などに影響することが明らかになっています。
あくまで朝食を対象にした研究ですが、食事を十分に摂らないことで、運動のパフォーマンスが落ちる可能性は十分にありそうです。
また成長期に必要な栄養が不足すれば、成長を阻害してしまうかもしれません。将来的には生活習慣病の一因にもなりかねないため、栄養不足には気をつけましょう。
中学生にも!アスリートに最適な食事メニューはこれ
食事の量は運動量によって変える必要がありますが、基本的には1日3食(弁当を含む)とも「さまざまな食材から栄養を摂取する」ことを心がけましょう。
バランスの良い食事とは、以下のように主食、副菜、主菜などが組み合わさった食事のことです。
具体的には、主食はごはんやパンなど。副菜は豆類やいも、主菜はたんぱく質の供給源となる肉や魚です。
豚汁やけんちん汁であれば、汁物と一緒に野菜を摂取できます。また忙しい場合は、主食のご飯と主菜のお肉をあせて丼ものにするなどの工夫も可能です。
身体を動かす・作る・整えるなどの栄養素を効果的に作用させるためにも、少しずつ取り入れられると良いですね。
できれば手作りが理想的ですが、時間が無いときには冷凍食品や惣菜なども活用すると、効率的に栄養を摂取できます。
ジュニアアスリートのための冷凍弁当
栄養バランスの取れた食事を食べさせてあげたいけど時間が無い、具体的にバランスの良い食事が分からないという方には、冷凍弁当が最適です。
冷凍なので基本的な調理は、弁当をそのままレンジでチンするだけ。家庭では弁当のおかずにご飯や汁物を足すと、主食、副菜、主菜が組み合わさった食事ができます。
小学生の子どもでも、1人で調理できそうですね。料理のバランスや手間を考えれば、冷凍弁当も一つの手です。
必要な栄養は体質や運動量によって異なる
子どもには時と場合に応じたバランスの良い食事を提供してあげましょう。
お子さまの年齢や体質、さらには競技などによって必要な栄養素は異なります。一概にこれを摂れば良いというものではなく、その子どもに合った食事を考えることが大切です。
たとえば、運動前は消化吸収しづらい脂質を少なめにする、身体を大きくしたいならタンパク質を多めにするなど。子どもの状況に合った食事を考えてあげたいですね。
成長スパートの時期は栄養がとくに大切
小学校高学年(9歳〜13歳)の時期は”成長スパート”と言います。この時期はとくに子どもの身体が急激に成長するため、栄養バランスのとれた食事が大切です。
また大きく背を伸ばしたり、骨密度を上げたりするのもこの時期。女子は11歳で約8cm、男子は13歳で約9cm身長が伸びると言われています。
スポーツによっては背が高い方が有利な可能性もあるので、しっかりと身体作りの土台を築き上げたいですね。
【レシピ不要】コンビニで買える栄養たっぷりな朝ごはん
コンビニ商品も組み合わせ次第では、バランスの良い食事になります。
遠征で食べる時間が無かったり、どうしても忙しくて食事が偏ったりする場合には、取り入れてみましょう。
上記のように朝は消化の良い炭水化物をメインに、主菜や副菜を付け足せば、まんべんなく栄養が摂取できます。小さいお子様で魚や野菜が苦手な場合は牛乳などを取り入れても良いでしょう。
偏りのない食事バランスは、栄養効果を高めます。食べたものが身体を作ることを理解しながら、お子さまに合った食事を提供してあげたいですね。
どうしても食べられない時はプロテインで栄養補給もOK
基本的には食事から栄養を取り入れることが理想ですが、部活や学校、塾などでバランスの良い食事を摂るのは難しいですよね。
そんな時には、プロテインを賢く活用しましょう。プロテインにはタンパク質をはじめとする、脂質・炭水化物などの栄養素が多く含まれています。
栄養が不足した状態では、スポーツで力を発揮できないどころか、私生活にまで支障をきたすかもしれません。成長に必要な栄養は摂取しておきたいすね。
プロテインは腎臓に悪い、筋肉が付いて背が伸びなくなるなどの口コミがありますが、ほとんどは腎臓や身長に悪影響はありません。
むしろ子どもの身体にとって良いものなので、場合に応じて取り入れましょう。
安全な飲み方は下記の記事を参考にしてみてください。
スポーツをする子どもの食事メニューに関するよくある質問
スポーツをする子どもの食事に関して、よくある質問にQ&A形式で回答していきます。
気になる項目をチェックしておきましょう。
Q.身体を大きくするには何を食べるべき?
身体を大きくするには、消費するエネルギー量よりも、摂取するエネルギーを多くしなければなりません。
公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏によると、スポーツをしている場合は一般的なお子さまに比べ1.5〜2倍程度の食事をする必要があるそうです。
例えば、体重70~80kgの野球部の高校生であれば、筋トレに力を入れる体作りの時期には1日3000~4000kcalが必要です。
競技種目や運動量により多少、必要なエネルギー量は変わりますが、運動部の子どもは、だいたい、同年代の一般的なお子さんや大人と比較すると、1.5~2倍ぐらいの食事量になります。
引用元:THE ANSER
何を食べれば良いというものではなく、バランスの良い食事をしながら、全体の食事量を増やすことが大切なようですね。
とはいえ、成長期の子どもは大人に比べて消化吸収能力は低めです。1度でたくさんの食事をするとかえって内臓に負担がかかるので、食事回数を多くするか補食で、1日のエネルギー量を増やしましょう。
補食はエネルギーが多く脂質の少ない物を
運動前後の補食は、以下のようにエネルギーが多く、低脂肪のものを選ぶのがポイント。
激しい運動前に脂肪の多い食事を摂ると食べ物が消化しきれず、胃の中に留まってしまいます。また運動後も脂質が多い食べ物を摂取すると、太りやすい食べ方になってしまいます。
- おにぎり、サンドイッチ(エネルギー源)
- チーズ、ヨーグルト(カルシウム、たんぱく質)
- 煮干し(カルシウム、鉄分、たんぱく質)
- ナッツ類(食物繊維、エネルギー源)
- 果物(食物繊維、ビタミン)
- ドライフルーツ(食物繊維、鉄分)
家庭で補食を作る余裕があれば、野菜や牛乳、大豆製品などを使用したレシピ、 消化吸収しやすいおにぎりなどを作ってあげると良いでしょう。
おにぎりや、サンドイッチなどコンパクトな食事であれば、お子さまも学校や部活動先に持って行きやすいですね。
補食はあくまで「足りない栄養の補給」であり、くれぐれも食べすぎには注意が必要です。
Q.ジュニア用サプリは飲んでいい?
以下のように適度な栄養が摂取できない場合には、サプリメントを飲むと良いでしょう。
- 好き嫌いがあって特定の栄養素を摂取できない
- 食が細くて食事量が少なくなってしまう
- 毎日忙しくて満足させられる食事を提供できない
- 夜が遅くてなるべく胃に負担がかからない食事をしたい
基本的は3食の食事で栄養を摂取することを心がけることが大切です。
プロテインも同様ですが、サプリメントはあくまで栄養補助食品なので、たくさん食べたからと言って身体に良いわけではありません。
とはいえ、欲しい栄養素を効率的に摂取できる、持ち運びが簡単などのメリットもあります。子どもの体格や運動量に併せて、上手に活用しましょう。
Q.運動前におすすめな食べ物は?
運動前は、エネルギーのもとになる炭水化物を中心に、脂質を控えめにした食事が良いでしょう。
「日本体育協会公認スポーツ栄養士」鈴木いづみ氏が、東京マラソンランナー向けに提示した食事内容は、レース3〜4時間前におにぎりやパンなどの消化のよい糖質。
そして、レース開始1時間前にはさらに食事量を少なくし、高糖質な食品でエネルギーを補給。レース30分前は飲み物だけというものでした。
運動中はエネルギーを消費することから、低血糖状態になる可能性があります。また脂質の多い食事は、消化・吸収が遅く、胃や腸に留まりやすいため、運動中に腹痛の原因になりかねません。
運動開始に近づくにつれて、脂質を控えながら食べる量も調整することが大切です。また運動直前には水分をしっかり補給し、脱水症状を防ぎましょう。
Q.疲労回復する(運動後)食事メニューは?
筋肉の疲労回復には、糖質補給が重要です。運動後の身体はエネルギーが不足し、筋肉の細胞(グリコーゲン)が分解された状態になっています。
そこで必要になる栄養素が糖質(炭水化物)。以下の図の様におにぎりやパンなどの糖質を摂取することで、運動によって消費されたグリコーゲンを補給し、回復を促進してくれます。
たくさん食べたからといって回復が早まるわけではありませんが、バランスの良い食事を心がけながら、胃に負担がかからない程度に摂取しましょう。
また食事だけでなく、睡眠をしっかりととることで疲労が回復しやすくなります。十分に休息が取れていない場合は疲労が蓄積し、今後のパフォーマンスにも影響するので注意が必要です。
マルトデキストリンはグリコーゲンの回復が早い
糖質には果物の果糖、お米のデンプンなど複数の種類があります。
なかでも疲労回復に最適な糖質は、マルトデキストリン。ザバスのプロテインやウイダーインゼリーなどの栄養補助食品に含まれています。
デンプンを加水分解して作られているため、吸収が高くなっていることが特徴です。エネルギーの源であるグリコーゲンを効率的に補給できるので、疲れた身体には取り入れておきたいですね。
ただし、砂糖が入っている場合があるので要注意。砂糖はかえってビタミンやカルシウムなどを消費してしまうので、商品のパッケージに記載された飲み方や分量を参考にして摂取しましょう。
Q.運動・スポーツ中の最適な水分補給は?
激しく汗をかくような運動時の水分補給には、塩分や糖分が入ったスポーツドリンクが好ましいでしょう。
日本体育協会(P14)では、0.1〜0.2%の塩分(ナトリウムに換算すると100ml中に40〜80mg)と、1時間以上の運動をする場合は4〜8%程度の糖質を含んだものを推奨しています。
体液は水分のほか、ナトリウムイオンやカリウムイオンなどを含んでおり、酸素や栄養素を細胞に届けています。
水分のみだと、体内の水分バランスが崩れて細胞に栄養が行き届きにくくなるため、適度な塩分や糖分が必要というわけです。
脱水症状による身体の不調を防ぐためにも、大量の汗をかいた場合には、スポーツドリンクを摂取しましょう。普段の食事では、なるべく砂糖の入った飲み物を避け、糖質過多にならないように注意が必要です。
まとめ
このページでは、スポーツをする子どもの食事について、栄養バランスが大切な理由、さらには具体的な食事の摂り方などを解説しました。
最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。
- 年齢にかかわらずバランスの良い食事が大切
- 成長期の食事はとくに将来の身体作りに関わる
- コンビニ食でもバランスの良い食事ができる
- どうしても栄養が偏る場合には栄養補助食品を活用する
成長期の子どもは十分な栄養を摂取することが大切です。
1日3食バランスの良い食事を心がけながら、足りない栄養は補食やプロテインなどの栄養補助食品で取り入れましょう。
場合に応じた食事を提供し、効率的に身体作りができるようにサポートしてあげられると良いですね。
JUAS(ジュアス)は、子どもが気軽に美味しく食べられる健康食。砂糖不使用・添加物は控えめでありながら成長に必要な栄養と美味しさを追求し、子どもの成長をしっかりサポートします。
不足している栄養素や子どもの好みに合わせて1点からのご購入が可能。お得な4点セットや、便利な定期購買プランも取り揃えています。
美味しさ・気軽さ・安全さを兼ね備えたJUASを、日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。