どんな親でも、わが子には健康に育ってほしいと思うもの。
成長期の子どもを育てている方は、忙しい日々の中できちんと食事を提供できているか悩むこともあるでしょう。
結論から言うと、最も大事なのは食事のバランス。
身体が発達すると同時に活動量も増え、必要なエネルギー量や栄養素が多い成長期ではあらゆる栄養が欠乏状態になりやすいからです。
そこでこの記事では、成長期の子どもに必要な栄養素を献立を含めて解説。さらに食事面で特に気をつけるべきポイントを5つにまとめてみました。
成長期に適切な食事や栄養素は?献立やメニューを解説
成長期の子どもが摂取する食事に必要な栄養素には、以下の5つがあります。
- 炭水化物
- 脂質
- たんぱく質
- ビタミン
- ミネラル
これらの5大栄養素をバランスよく取り入れた食事こそ、子どもの身体が健全に成長するために必要なのです。
成長期の子どもたちの食事に、身体に必要な栄養素を揃えるには、どのような工夫をすればいいのでしょうか。
成長期の子どもの食事に生かせる献立を見ていきましょう。
“成長スパート”では栄養バランスの取れた食事が大事
第二次性徴期である小学校高学年(9歳〜13歳)は「成長スパート」といい、子どもの身体が急激に成長するため、栄養バランスのとれた食事を摂ることがとても大切です。
年に女子は11歳で約8cm、男子は13歳で約9cm身長が伸びる、といわれています。
成長期にはカルシウムを多く取り入れた栄養バランスの良い食事を摂ってもらうことが、健康な身体作りにおいてかなり重要。
骨の成長に大きく関係しているカルシウムの吸収率は、成長期にあたる年代でもっとも高くなるからです。
骨の成長にはコラーゲンも必要
化粧品に使われることが多い「コラーゲン」はたんぱく質の一種です。体内のたんぱく質のうち約3割を占めており、そのうちの2割が骨や軟骨に含まれています。
カルシウムの役割が骨を伸ばすことであるのに対して、コラーゲンの役割は骨の質を高めて丈夫にすること。
骨の成長のために、カルシウムだけでなくコラーゲンも取り入れた食事を心がけましょう。
高校生になっても栄養バランスのとれた食事を
第二次性徴期が過ぎた高校生ともなると、急激な身体の成長は起こらない子どもがほとんどですが、まだまだ育ち盛り。引き続き家庭においては、栄養バランスのとれた食事の提供が必要です。
高校生は思春期の時期でもあります。中には、外見を気にして極端な食事制限をしたがる子どもがいるかもしれません。
しかし食事量を急激に減らすと、健全な身体の成長を妨げてしまう恐れがあるため、注意が必要です。
心身ともにアンバランスな高校生がしっかり栄養バランスの取れた食事をとれるよう、十分なサポートが家庭には求められます。
また、自分自身の外見について必要以上に子どもが気にしすぎないように、家庭では子どものありのままを受け入れてあげましょう。
成長期に必要な栄養素
成長期では身体が発達するとともに活動量も増えるため、必要なエネルギー量や栄養素が多く、欠乏症になりやすいです。
そこで成長期に特に注意して取りたい栄養素を書き出してみました。
- タンパク質:筋肉や骨の発達、成長ホルモンの分泌などに関与
- カルシウム・マグネシム:骨や強い歯を作るのに役立つ
- 亜鉛:血中に酸素を運ぶ(不足すると貧血などにつながる)
- ビタミンB群:エネルギーの源になる
タンパク質やカルシウムなど、骨や筋肉の成長に関与するエネルギーの他にも、亜鉛やビタミン群など身体活動に必要なエネルギーにも意識を向けたいところ。
栄養不足の状態では、成長障害の危険性があるだけでなく、抵抗力も低下してしまいウイルスなどの感染リスクも高まります。
アレルギーや生活習慣病などの一因になる場合もあるので、普段の食事を見直すなど、欠乏状態には十分に注意しましょう。
5つのお皿を意識して食事メニュー(献立)を考えよう
画像出典:「食事バランスガイド」について:農林水産省
献立を考える際は、食事バランスガイドを参考にして、以下の5種類をバランスよく取りいれましょう。
- 主食(ご飯、パン、パスタなどの炭水化物)
- 副菜(野菜、いも、豆類、きのこ、海藻などのビタミン、ミネラル類)
- 主菜(肉、魚、卵、大豆製品などのたんぱく質)
- 牛乳・乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなどのカルシウム)
- 果物(りんご、みかん、いちごなどのビタミンC、カリウム)
それぞれの食事を取るべき量は、以下の「適量チャート」で調べましょう。
食事バランスガイドでは、毎日の食事を上記5つに区分し、区分ごとに「(SV)」という単位を用いて量を表しています。(1つ=1SV=1皿という認識で大丈夫です。)
画像出典:「食事バランスガイド」について:農林水産省
例えば、1日に必要なエネルギー量を2200kcalとします。区分ごとの単位は以下の通りです。
- 主食:5〜7皿(SV)
- 副菜:5〜6皿(SV)
- 主菜:3〜5皿(SV)
- 牛乳・乳製品:2皿(SV)
- 果物:2皿(SV)
これらを一日の食事で満たすことができるような献立を作れれば、栄養バランスのとれた食事の完成です。
1皿で多くの栄養素がとれる献立もある
1皿で主食・主菜・副菜が摂れる食事もあります。たとえばカレーライスです。
大盛りのごはんで食べるなら主食は2SV、野菜が多めに入っているなら副菜2SV、一般的な肉料理1人前が3SVなので2/3程度とカウントし、主菜2SVと数えます。
間食(補食)で食事量を確保し栄養不足を回避
1日に必要な食事量が摂取できない場合は、間食(補食)で足りない栄養素を補いましょう。
同じ年齢や体型の子どもでも、小食であったり偏食傾向であったりと食事摂取量が異なる場合があります。
また、学校や習い事が忙しかったり、お友達との時間を楽しんだりする子どもたちは、ときに食事をする体力を残してくれないこともあるでしょう。
もし子どもの食事量が増えないのであれば、1日3回の食事だけではなく、以下のような栄養を意識して間食(補食)で摂取カロリーを増やしてあげるのも一手です。
- カルシウム:骨を丈夫にする、骨を成長させる
- 鉄分:血液や筋肉を作る、全身に血液を運ぶ
- ビタミンC:コラーゲンを作る、鉄分の吸収を高める、抵抗力を高める
- 食物繊維:便秘を予防する、血糖値の上昇を抑える
補食を選ぶポイントは塩分、脂肪、ビタミン
間食(補食)には以下のように塩分控えめかつ低脂肪のものを選ぶのがポイント。
- チーズ、ヨーグルト(カルシウム、たんぱく質)
- 煮干し(カルシウム、鉄分、たんぱく質)
- ナッツ類(食物繊維、エネルギー源)
- 果物(食物繊維、ビタミン)
- 焼き芋(食物繊維、ビタミン)
- ドライフルーツ(食物繊維、鉄分)
- 納豆(食物繊維、鉄分)
ただし、あまり子ども受けしない食品もあります。もしスナック菓子を補食にするなら、できるだけカルシウムやビタミンが強化されたものを選ぶようにしましょう。
家庭で補食を作る余裕があれば、野菜や牛乳、大豆製品などを使用したレシピ、 腹持ちのいいおにぎりなどを作ってあげるといいでしょう。
補食はあくまで「イレギュラーな栄養補給」であり、くれぐれも食べすぎには注意が必要です。
スポーツを日常的に行う子どもにはビタミンが必要
部活動やスポーツクラブに通っている子供の場合は、普段の食事からビタミンを多めに摂る意識が大切です。
適度な運動は問題ありませんが、激しすぎる運動は、身体の組織を傷つける活性酸素が体内に発生させます。
その活性酸素を除去する作用を有するのが、以下の3つのビタミン(通称「ビタミンACE(エース)」)です。
ビタミンA | にんじん、豚レバーなど |
---|---|
ビタミンC | 果物など |
ビタミンE | アーモンド、落花生、くるみなど |
以下のような方法で効率よく摂取しましょう。
- レバーの臭みを牛乳に浸してとり、レバーフライにする
- 豚の生姜焼きににんじんのグラッセやにんじんしりしりを添える
- 果汁100%のオレンジジュースを飲んでもらう
- ココア生地にアーモンドや落花生をいれてクッキーにする
身長が伸びなくても心配しないで
子どもの身体の成長は、食事の栄養バランスのほか、遺伝や運動、睡眠習慣といったさまざまな要素が複雑に絡み合って起こるものです。
背が低いと感じるのは、成長期が遅いだけかもしれません。
「小学生まではあまり身長が伸びなかったけれど、中学生の夏休みでぐっと身長が伸びて、制服が寸足らずになってしまった」
「小学生のときにはお友達の中で一番背が高かったけれど、中学生以降は身長があまり伸びなかった」
というような事例も多々あるので、「インスタント食品ばかり…。」など、極端な偏った食事を提供していない限り心配しすぎる必要はないでしょう。
成長期の食事で気を付けるべき5つのこと
子どもの身体の基礎が作られる「成長期」の食事で、家族がサポートできることをまとめてみました。
- 子供への食育をする
- 朝食を摂る習慣を作る
- 偏った食生活を避ける
- 栄養補助食品やサプリメントを使うのも一つの手
- 睡眠や運動も忘れずに
子供の頃の食事習慣は、大人になってからの健康に直結します。
とはいえどれも意識次第で簡単にできるものなので、ぜひ実践してみてください。
1.子どもへの食育をする
家庭における食育は、子どもの健全な食生活を整えるうえで必要です。
文部科学省が定義するに、食育とは『子どもたちが一生涯にわたって健やかに生きていくことができるよう、
その基礎をつくるために行われるもの』。(引用:食育って何?:文部科学省)
以下のように「食事」の意味を伝えて、「食事の自己管理能力」を上げていくということですね。
- 食べ物に感謝する心を育てる
- 好き嫌いをせず栄養バランスよく食べる
- 食事のマナーを身につける
家庭における食育は、毎日の食事の積み重ねで形成されるもの。無理やり教えるのではなく、普段の会話で自然に組み込んでいくのが一番の近道です。
2.朝食を摂る習慣を作る
ついつい手抜きしてしまいがちな朝食ですが、成長期の子供には栄養バランスのとれた朝食は必須です。
体内時計をリセットする役割がある朝食を取らないと、授業中の眠気や集中切れにもつながり、結果として「朝食を食べていない子どもほど、学力・体力ともに低い傾向にある」という報告も。
画像参照:「食育って何?:文部科学省」
朝ゆっくりと食べる時間がない場合は、さまざまな野菜を入れた具だくさんスープを前夜から仕込んでおくのがおすすめ。
冷凍のカット野菜やミックスベジタブルを使えば大幅に手間を削減できます。
ほんの少しでもお腹に入れてあげることが大切なので、朝食を摂る習慣がつくまでは「完璧を求めないこと」が何より重要です。
3.偏った食生活を避ける
成長期の子どもは身体の基礎が完成していない状態なので、食生活の面では偏食にも注意したいところ。
5大栄養素( 炭水化物、脂質、たんぱく質、無機質、ビタミン)を意識した献立を作ることが何よりも大切です。
苦手な物は簡単に食べてくれないこともあるかもしれませんが、落ち込む必要はありません。
普段お子さんのためにしてあげている繊細な気遣いや地道な努力こそが、偏食を防ぐ大きな要因になるからです。
- 野菜はすりおろしたり、細かく刻んだりする
- 辛みや苦みがあるものは、加熱調理して甘みを引き立たせる
- 綺麗な盛り付けにしたり、食器を子ども好みにしたりする
好き嫌いには臨機応変に!
「ピーマンは食べないけど、ブロッコリーは食べてくれるなら良しとしよう」
このように特定の食べ物が食べられなくても、ほかの食材で補えば栄養の偏りは少なくできます。
嫌いな食材がある場合に最適な方法は、クックパッドのようなレシピサイトで「野菜嫌い 子供」と検索すること。
野菜嫌いに関連したレシピが1,967品出てくるので、苦手な食べ物の代わりになるような食材やレシピを探せます。好き嫌いがあっても臨機応変に対応しましょう。
ただし、偏食は今後の成長に影響が出る可能性があるので要注意。どうしても偏食をする場合は、医師や保健師などの専門家に相談してくださいね。
4.栄養補助食品やサプリメント使うのも一つの手
以下のような理由で、栄養バランスが整えるのが難しい場合は、栄養補助食品やサプリメントを使うのも一つの手です。
- 好き嫌いがあって特定の栄養素を摂取できない
- 食が細くて食事量が少なくなってしまう
- 毎日忙しくて満足な食事を提供できない
クッキータイプのものを子どものおやつ(補食)にしたり、いつもの食事の一部を栄養補助食品にしたりすることもできそうです。
また、不足しがちなカルシウムや鉄分、ビタミンなどはサプリメントで効率よく栄養補給できます。
栄養補助食品やサプリは頼れる力強い存在ではありますが、あくまで「補助」です。基本的には、栄養は食事から摂ってくださいね。
身長を確実に伸ばすサプリはない
残念ながら身長を「確実に」伸ばせるサプリはありません。
それについての答えは、日本小児内分泌学会の「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解という資料を読むのが手っ取り早いです。
現状ネット上で得られる情報としてはかなり信頼できるソース、かつまとまった内容でしょう。
ただし学術用語が多く使用されており、少し専門的で読みづらい内容なので、かんたんに要点をまとめてみました。
- カルシウム/鉄/ビタミンDを含むサプリメントは、栄養不足の場合は成長が正常化する可能性がある。
- 成長ホルモン分泌の促進効果があるとされる物質(アルギニン)を含むサプリメントはほとんど効果が望めない。
- 成長ホルモンを含むスプレー(鼻や口から)はほとんど効果が望めない。
2013年と一昔前の情報ではありますが、論文ベースの内容であるため、信憑性は高いと言えるでしょう。
5. 睡眠や運動も忘れずに!
子どもの身体の成長には、栄養バランスが整った食事を摂ることだけではなく、適度な運動や十分な睡眠も欠かせません。
成長期における適度な運動の目安は、1日だいたい60分程度。毎日の継続が大切なので、昼休みや放課後に運動を取り入れるようにしましょう。
また、寝ている間に分泌される成長ホルモンが骨に作用することで身長は伸びていきます。
成長ホルモンは深い睡眠に入ったときに多く分泌されるため、8時間から10時間ほどの睡眠時間を確保したうえで、睡眠のリズムを整えるサポートもしてあげてくださいね。
まとめ
このページでは、成長期における適切な食事や栄養素について解説しました。
最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。
- 栄養バランスが整った食事は、成長期の子どもの健全な成長に必要である
- 「栄養バランスが整っている食事」とは、おおまかに5大栄養素が揃っている食事を指す
- 間食(補食)で食事量を確保し、栄養不足を回避する
- 栄養補助食品を食生活に取り入れる方法もある
- 運動、睡眠も子どもの身体の成長に必要である
- 家庭ごとにできる方法で、食生活を整える
食事は1日3回と言われていますが、1回、あるいは1日の食事で身体に大きな影響を与えることはありません。
「栄養バランスが整った食事を毎回食べさせないといけない」といった強いプレッシャーを、食事を作る人が抱え込む必要はありません。
何よりも意識が大事なので、できる範囲で成長期の子どもの食事をサポートしてあげてくださいね。
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